…君、は……っ…。

──いや、参ったな…言葉が出ない。手も震えて居るし、何より目頭が熱い。本当に参ったよ。


記憶の中に焼き付く、その姿。耳に残るその声。…逢いたかった。
私だって君を忘れた事なんか一度も無い。失ってから大切なものの重みに気が付いて、悔やみ続けた。昔の自分を何度殴っただろうか。いや、まだ殴り足りない位だ。
心配を掛けさせたね。済まない。消えた男を気遣ってすら居てくれたとは…夢にも思わなかったよ。

…聞いてくれ、ジィン。酷い我が儘だとは判っているが、君と一緒の未来が欲しい。その為ならば何だってする。


もう二度とその手を放したくない。


──…ああ、私の元へと繋がる住所を残しておく。好きに使ってくれたまえ。
因みに、恥ずかしい話…今の“本住所”は何年も前に変えた物で、最悪のセンスだ。変更するまでは“仮住所”でやり取りさせて貰えると嬉しいよ。勿論、君が望むならばずっと仮住所での交流も可能だが。

それでは、反応を待つ。