52 無名さん
イタズラって友好的だとは限らないと思うけど…ってのと、悪化してないといいよなぁ。 (missionの内容に言及した彼の言葉にふと思いつき、ポケットからスマートフォンを取り出してmissionの再確認をする。「低級霊であれ発覚から日が経過しているため、現状の悪化の可能性あり」という補足に、先ほどの霊を思い出して笑顔を引っ込め、弱気な言葉を呟き背筋を震わせながらパートナーに目を向ければ、腰を上げてえらりとした笑顔の後、片手を翳した姿。何だろうと一瞬は目を丸くするものの、すぐ意図に気付けば仕方ないなぁといういつもの調子で笑みを浮かべ、少し背伸びをして掌同士を合わせる。夜の小学校に似つかわしくない乾いた音は、夏海を奮い立たせるには十分だった。この後の夕飯のことを言う彼の言葉に空腹を感じ、早く済ませようと思い立ったのもあるかもしれない。彼の懐中電灯が照らしだす光は頼もしく、数十秒で目的地である図書室の扉に進むも、そこまで緊張していない自分に内心で驚きながら、鍵穴に鍵を差し込んで捻ると、軽い音がして扉が開いたのが分かる。おどかす様な彼の言葉に肩を震わせ抗議を申し立てるものの、弓袋に触れた彼はとても頼もしく見え、パートナーが彼で良かったと笑みを零しながら扉を開けようとして) やめろよ、本当だったらどうすんだよ……まあ、その辺は頼りにしてるよ、古安。――……開けるよ。