53 無名さん
…気になることがあると言っていたが、なんだ?(カーテンが閉められた自室の窓の隙間から空を覗き込もうとした瞬間に視界が暗転し、気が付けば唐突に理不尽にもう見慣れてしまった夜の校舎の前に佇んでいた。昼間共に行動をしていた相手に言った"生きている夜空"とは程遠い不気味な月が浮かぶ無機質な夜空を見上げると溜め息を吐いてから思考を切り替え、握り締めていた左手を開く。そこには昼間紆余曲折を経て手に入れた司書室の鍵がしっかりと存在していた。今はただ目の前の悪夢と向かい合わなければならない。この鍵がそのための役に立てば良いのだがとポケットにしまうと件のアプリで同行を申し出た今夜のペアに声をかけ、予定通り旧校舎へと向かう。さほど時間をかけずに到着した目的地の前で初めて相手に声を掛けながら扉を開けると、勝手知ったるように階段付近の部屋奥という目立たない場所にひっそりと位置する司書室の扉の前で足を止める。出し惜しみすることでもないと早速ポケットから鍵を取り出し、鍵穴に差し込もうと/↑)…さて、何が出てくることやら。パーツか情報なら良いが。
ゴミクズロル
ゴミクズロル