76 無名さん
10月20日(土)

先日見掛けたノートが未だロビーにある。誰か の忘れ物だと思ったけれど、どうやらこれは生 徒間の親睦を深めるためのツールとして意図的 に置かれているようだった。 既に完成されつつある輪に外部から新たに一石 投じられた時、人々はどう受け止めるのか知り たくて僕はペンを執った次第である。決して楽 しそうだから仲間に入りたかった訳ではない。

以上を前置きとし、初記入させてもらった。白 凰寺という。ここに名を連ねる皆に以後宜しく 頼みたい。

慣習に倣い、与えられたテーマを消化してい く。 僕に課せられたのは西荻太郎という人物の第一 印象を語ること。面識が無いので、今これを読 んで彼に対し抱いた感懐がそのまま第一印象と なる。

…宜しく?宜しくと言ったのか。この僕に宛て て。名指しで宜しくと言った。 なんという礼儀正しく細やかな気遣いができる 心根の優しい人格者。綴られた飾らない言葉か らは快活にして純朴な人柄が見て取れる。外向 的で活力に満ち他者を労ることができる彼は犬 を飼っているに違いない。寧ろ彼自身がコンパ ニオンアニマルのようですらある。名前はタ ロ。柴犬で頼む。 おやすみタロ。星ぼしの瞬きに見守られ、やわ らかな月の明かりに抱かれてお眠り。

結びに、迎え入れてくれた角田さんには心より の礼を。 率先して話題を提供し人と人を繋ぐきっかけと なった北見さんには賛辞を。 公序良俗に反する破廉恥な挨拶を横行させた乳 頭の申し子には制裁を。

では、ご機嫌よう。