79 無名さん
(窓から差し込む光にオレンジ色が混ざりはじめた頃、人気の無い廊下をどこか頼りない足取りで渡る影が一つ。イベント用の仮装で顔が見えない状態であっても、それが女生徒だというのは背丈でギリギリ判断できるだろう。骨格の描かれた真っ黒い衣服のフードを被り、更に顔をドクロの面で被った姿では、もうすっかり肌寒くなった秋の陽気とはいえどやや汗ばむよう。骸骨らしいヒョロヒョロとした動きを意識した訳でもなくただの疲労を滲ませながらやって来た化学室にも人の姿は見当たらず、とりあえず面を外しフードを後ろに払って通気性の悪い頭部に風に通そうと開けた窓から外の景色をぼんやりと眺め/↑)キャンディコンプリートは無理そう。