81 無名さん
そうだな、此方が本来の姿だが……む、五月蝿い、それは性格だ。…ああ、女王陛下の御誘いを無下には出来んが、といって連れも居ない。…お前こそ、ひとりか。
(相手の言葉に瞳を細めると僅に複雑そうに表情を渋くするも眉間の皺を突かれると尚更眉頭を寄せふんと鼻を鳴らし、質問には直ぐに首肯すると相手に視線を向けて僅に語尾を持上げて首を小さく傾げるも)
……お前も女王陛下に誘われたのか?…その老婆と言い、全くもって何を考えて居られるのか解らん御人だな。
(相手から女王の名が零れては露骨に不審げな表情を浮かべ溜め息にも似た吐息と共に途方に暮れた様に言葉を吐き出すと、不意に続いた相手の言葉に俯きがちと成っていた視線を上げては柔らかな笑顔を浮かべ礼をする相手に瞬きをし漸く相手の綺麗な正装に思考が達して緩く耳を染めると)
……悪い、俺は社交界のマナーには疎くてな。此方こそ、レディ…とでも返せば良いのか。……あー…良く似合ってる、良い夜に出会えて光栄だ、ミス。
(逡巡して小さく唸るもこほんと咳払うと薄く染めた頬は其のままに、穏やかを努めて言葉を綴ると下腹部に片手を添えて片足を緩く引き仰々しい仕種で頭を垂れて礼をして)