95 無名さん
>>92
これお手本にすればええお
(一日の終わりと始まりを告げる時刻の境目で夢と現実の真偽を知りたいと思い息を呑んだ。そして次の瞬間、吹き晒しの校庭に佇み散り散りに立ち尽くす見覚えのある面子を遠目に見ながら抗えない強大な力の存在を実感し襲って来る絶望に沈んだ。自分がこんなにも往生際が悪いとは思ってもみなかった、こうして絶望を感じる程に夢である事を期待していたのだと思い知り自嘲した姿は他人にはどう映っただろう。 淀んだ空気を静かに肺へと取り込むとじわり記憶が蘇り、大きく聳え立ち塞がる禍々しい校舎に足が竦む。 まただ、『また』ここに来てしまった。 呆気なく奪われた命を再三搾取する為に返却され進行して行かなければならないこれは最早地獄でしかない 。そう言えば最初の犠牲者は誰だったのか、覚えているのは執り行われた処刑をすぐ側で目の当たりにしたと言う事、生温い鮮血を浴び無我夢中で逃げ惑いそして…振り返ってしまった。貫かれ腹に残った黒く丸い痣が酷く疼き嫌な汗を掻く。ここまで散々無茶をして親にも沢山心配を掛けてきた自分が、昨夜走馬灯によって生への執着を知る事が出来たのは大変良い経験だった、それだけならどんなに良かっただろうか。学校で教師からの招集があっても尚、半信半疑だった自分だが、それでも自分なりに情報収集し多少のルールは叩き込んだ。真偽ははっきりした、もう夢には出来ない真実が重くのし掛かる。だがこれからは決して"振り返る"事だけはしない、口内に未だ残っていた飴を噛み砕いてはそう決意し進めた足で自らパートナーを探し、やがて開かれる扉を潜ったなら提案しよう、攻略を開始する前に見ておきたいものがあるのだ、と。土足で踏み入った校舎内は薄暗くお誂え向きな特有の肌寒さがある。個人行動と同じく危険視される集団行動を避け、皆が皆思うままに分散して行くこの頃には既に現実を受け入れた事で落ち着きを取り戻し思考も働くようになっていた。オカルト板にて『カ/ラ/ダ/探/し』の仮攻略として論じられていた内容に実践できるものがなかったか思い出しつつ、一階から伸びる階段を駆け上がり二階ホールへ。昼間であれば多少なりとも賑わいを見せる憩いの場を巣食う異様な雰囲気はすぐに感じ取る事が出来るだろう、中央辺りに備えられた空の棺が丁度窓から差し込む月明かりに照らされ仄かに光を纏っている。まるで神聖なものだと言わんばかりの装いに肌が泡立ち、少し大袈裟に身震いを。大まかな手順の確認を終え改めて死への恐怖を口にすると口にした分だけ身体から余計な力が抜けて行き身軽くなった。付け足した言葉は本気モード、無論相手に変身を望み且つ期待に輝かせた眼差しも向けてみるが友人のSNSから引っ張り出した台詞が台詞なだけに些か楽観的に響くかもしれない/入室↑)身体探してここ、入れれば良いって事みたいよ。…あー、怖ェわ。マジで死にたくねぇ怖ェ。…いざとなったら何だっけアレ、筋肉隆々の超ゴリマッチョ極悪クマに変身するって俺、信じてるからな。
これお手本にすればええお
(一日の終わりと始まりを告げる時刻の境目で夢と現実の真偽を知りたいと思い息を呑んだ。そして次の瞬間、吹き晒しの校庭に佇み散り散りに立ち尽くす見覚えのある面子を遠目に見ながら抗えない強大な力の存在を実感し襲って来る絶望に沈んだ。自分がこんなにも往生際が悪いとは思ってもみなかった、こうして絶望を感じる程に夢である事を期待していたのだと思い知り自嘲した姿は他人にはどう映っただろう。 淀んだ空気を静かに肺へと取り込むとじわり記憶が蘇り、大きく聳え立ち塞がる禍々しい校舎に足が竦む。 まただ、『また』ここに来てしまった。 呆気なく奪われた命を再三搾取する為に返却され進行して行かなければならないこれは最早地獄でしかない 。そう言えば最初の犠牲者は誰だったのか、覚えているのは執り行われた処刑をすぐ側で目の当たりにしたと言う事、生温い鮮血を浴び無我夢中で逃げ惑いそして…振り返ってしまった。貫かれ腹に残った黒く丸い痣が酷く疼き嫌な汗を掻く。ここまで散々無茶をして親にも沢山心配を掛けてきた自分が、昨夜走馬灯によって生への執着を知る事が出来たのは大変良い経験だった、それだけならどんなに良かっただろうか。学校で教師からの招集があっても尚、半信半疑だった自分だが、それでも自分なりに情報収集し多少のルールは叩き込んだ。真偽ははっきりした、もう夢には出来ない真実が重くのし掛かる。だがこれからは決して"振り返る"事だけはしない、口内に未だ残っていた飴を噛み砕いてはそう決意し進めた足で自らパートナーを探し、やがて開かれる扉を潜ったなら提案しよう、攻略を開始する前に見ておきたいものがあるのだ、と。土足で踏み入った校舎内は薄暗くお誂え向きな特有の肌寒さがある。個人行動と同じく危険視される集団行動を避け、皆が皆思うままに分散して行くこの頃には既に現実を受け入れた事で落ち着きを取り戻し思考も働くようになっていた。オカルト板にて『カ/ラ/ダ/探/し』の仮攻略として論じられていた内容に実践できるものがなかったか思い出しつつ、一階から伸びる階段を駆け上がり二階ホールへ。昼間であれば多少なりとも賑わいを見せる憩いの場を巣食う異様な雰囲気はすぐに感じ取る事が出来るだろう、中央辺りに備えられた空の棺が丁度窓から差し込む月明かりに照らされ仄かに光を纏っている。まるで神聖なものだと言わんばかりの装いに肌が泡立ち、少し大袈裟に身震いを。大まかな手順の確認を終え改めて死への恐怖を口にすると口にした分だけ身体から余計な力が抜けて行き身軽くなった。付け足した言葉は本気モード、無論相手に変身を望み且つ期待に輝かせた眼差しも向けてみるが友人のSNSから引っ張り出した台詞が台詞なだけに些か楽観的に響くかもしれない/入室↑)身体探してここ、入れれば良いって事みたいよ。…あー、怖ェわ。マジで死にたくねぇ怖ェ。…いざとなったら何だっけアレ、筋肉隆々の超ゴリマッチョ極悪クマに変身するって俺、信じてるからな。