1 エレン・イェーガー

猪の呟き。

寒さが本格的になり始めた頃、ただただ自由に言葉を発したいが為に声を大にして叫んだあの日。オレは、貴方と出会いました。

お互いにこうも親しくなるとは想像さえしていなかった冬、吐く息が白く染まる頃にはもう惹かれていました。芯を確りと持ち言葉や態度で示すその姿勢を、明確に告げてくる声を好くのに時間は掛からなくて。今だと“好きだ”ばかりを叫んでますね、オレが。嘘でも嫌いだとは紡げない程に過ごす日常は鮮やかで、朝が来る喜び、眠る時に繋ぐ手の温もりが一日のお楽しみ。日に日に近い場所で互いを知っていく時が当たり前のように自然に感じて、きっと自惚れじゃなければ感じてくれていて。

一分一秒が大切に過ぎていく、その有り難みを教えてくれたのは…生きる楽しみや目標を追い掛ける日々を教えてくれたのは。


他の誰でもない…――リヴァイ兵長、あなたです。


三ヶ月の節目に此処へ綴る理由は何れ、気付かれた時に覚えていたらお伝えするとして。飽きることなく今日も今日とて大好きです、兵長。
紡いでいく日々にどんな壁が迫ろうとも、オレの選択肢は兵長一択。きっと貴方が一番、身を以て存知ていることだと思うので深くは言いません。毎日の感謝をそっと添えて、

三ヶ月経つ今日も、あなたが好きです。
7 エレン・イェーガー
愛は人を美しく変えていく。


何処かの文献で見た記憶がある言葉ですが、事実としてあり得るのを知る日が来るとは……思ってもみませんでした。個人的なイメージというか、経験と想像と人の話を聞く限りで多いのは年数を積み重ねていく程に落ち着いたり、冷めたりする方が多いそうです。

けれど、兵長への想いは増すばかりで年々度合いが激しくなっていく一方だ。それに、日に日に可愛く綺麗になっていく貴方を一番近くで見ていて…目を奪われる、と言えばいいのか。照れることが増えました。伝えてくれる言葉や、考え。拗ねた時の反応、溜息も“馬鹿”と呼ぶ声も。全てが甘くて愛おしい、愛らしさが増していく日々に心臓も元気で…けれど煽り上手なのは心配です。無自覚な色気で、更に煽り上手、誘い上手となればーー…周りは野獣だらけじゃないですか。

三年の月日が流れても、こんなにも兵長の事が好きだ。
貴方の強さはよく存知ているにも関わらず、夜道が心配だったり雨が降った日には迎えに行かないと落ち着かない。過保護だと言われても否定はできない程に、…大切すぎて気になる。連れ添う時が増えれば増えるほど、貴方のことが愛おしくて堪らない。

悲しいや、寂しい、時には悩ませたり困らせたり。
けれど、その都度寄り添って想いを紡ぎます。あっという間に感じるこの三年間は、沢山の気持ちと想いが詰まった時間。言葉では言い表せない……、大切な、大切な日々です。

この三年間、毎日…飽きることなく傍に居てくれてありがとう。

四年目に向けて次に紡ぐまでの一年、煩い生き物ですけど…傍に居させてください。五年目も、六年目も十年、三十年とその先も。オレは、あなたと生きたい。

大好きです、ーー…リヴァイさん。
8 エレン・イェーガー
今日は何の日、恋の実がなる日。

何言ってんだコイツ…的な痛い目線感じるのは気の所為じゃない気がする。けれど、事実です。四年前のこの日、貴方に出逢ってから全てが始まって今がある。待ちに待ったこの日を過去の自分にも伝えてやりたいと思う、宣言通りの先ずは四年。大好きな人の傍で迎えることができてるぞ、って。

飽きることなく、呆れることなく…ずっと傍にいてくれましたよね。どんな日も、変わらず。子供っぽいオレの不貞腐れや拗ねたり、それに伴って余計な不安を与えたりするにも関わらず貴方はいつでも傍に…と寄り添ってくれた。


…ーーありがとう、リヴァイさん。


照れるとすぐ悪態に走るけれど、その不器用な隠し方が凄く好きです。こんなにも傍にいるのに触れると遠慮がちにくっついてきてくれる所も、かと言って触れ始めると積極的に挑発してきたり。普段は凛々しく、涼しい感じで過ごしているのにオレの前では表情が豊かになる。

柔らかな笑い方も、可愛くて色気がある雰囲気も全部…オレだけしか知らないこと。不安になった時の癖、寝起きの癖、寝惚けている時の癖、貴方の色んな部分を知れること…その全てがオレの宝物です。

この前伝えた、触れたくなる箇所、好きなところ。
あの後ふと思ったんですが、…頬も好きだな、って。そういえばやたらと触れようとしてますよね、オレ。貴方の頬を撫でるのが好きだ、触れた途端に心地好さそうにする表情も。
瞼に触れるのも好きです、その瞬間は目を閉じて…離れた途端に見上げてくる眼差しの可愛いこと。あの瞬間見たさに触れているんじゃないかって思う。後は、愛おしいから触れたくなる。他にももっと沢山ありますが、それはまた二人きりの時に伝えますね。


四年目から五年目にかけて。
今までも、これから先も。ずっと、ずーっと。オレに想われ続けてください。貴方のことが大好きです、兵長。
誰よりも、何よりも。おめでとう、と…これからも宜しくお願いします、を此処へ。
9 エレン・イェーガー
五度目の今日が来ましたね、兵長。貴方はこの日をどんな風に思い、迎えるんでしょうか。

オレは最近、声高らかに宣言したあの日が懐かしいと思うんです。ずっと、を体現するのは揺らがないものであったけれど…その為には先ず傍にいることを受け入れてもらわないといけない。オレがそのつもりでも、貴方に強要することはできないことで。呆れられてしまわないか、飽きられてしまわないか…そう悩みながら毎日過ごすうちに安心へと変わり。

今では、そういう類の不安は殆どありません。よっぽど嫌われた時だろう、くらいにしか。喩え息が止まる時が来たとしても、貴方を置いていくこともですが…置いていかれるつもりもない。

そう思うと、オレと兵長との間を邪魔するのはいつものアイツだけで。この一年はやたらと妨げがある年だった、と記憶に残ってます。同時に、何処にいても何も変わらないこと。貴方が大切で、色々ともどかしいこと。貴方がいたから抱いた気持ち、感情が沢山あります。


五年間、毎日傍にいてくれたことへ感謝を。
ありがとう、リヴァイさん。

六年目を目指して進み始めた今日、きっとこれからも貴方といて育んだ気持ちで困らせることがあると思う。いいものだけを渡したくとも、そうはいかなくて。こんなオレですが、これからもこの先もずっと傍に。離れることなく、しつこく。
なので、来年のこの日を楽しみに今年も宜しくお願いします!


オレだけの、可愛くて愛らしい…たった一人の大好きなひとへ宛てて。
10 エレン・イェーガー
後少しで今日が終わってまた次の年が始まる。

今年も無事この日を迎えられたことに感謝を。本来ならもっとしっかりと言葉を綴りたい所ですが、環境が変わってからは何かと話せる時間もなく今も手短にですがせめてと此処へ。

あまり話せずにいるにも関わらず、傍にいてくださって本当にありがとうございます…兵長。あなたが変わらずにいてくれるから安心していられる反面、そこに甘えて申し訳なく思う気持ちもあります。来年はもう少し余裕を持って話せるように今を乗り越えたい。待たせてばかりで本当にすみません。

どれだけ月日が流れようとオレはあなたが好きです、リヴァイさん。