1 エレン・イェーガー

アガパンサスとルピナス

リヴァイさぁーん!!、っ好きだぁーーっ!!愛してまぁーーすっ!!


ふぅ。…叫びたい気分を有言実行しにきました。
これだけじゃ勿体ないんで、リヴァイさんを見せびらかそうかなと思いつつ…。でも、他の誰かがリヴァイさんに惚れて言い寄られたりなんかしたらどうしよう…、…って考えたんですけど、リヴァイさんはオレしか眼中に無いからまったく問題なかったですね。…ということで、めいっぱい自慢します。

優しくて、頼りがいがあって、オレのことをよく見てくれて、オレのために色んなことをしてくれて…。どんなオレも受け入れてくれる、世界一かわいくて、世界一かっこいい、愛しい愛しいオレだけのリヴァイさん。

一体どれだけの言葉を伝えれば、オレのこの気持ちの大きさと深さを明らかにできるんだろうと毎日思っています。でも、どんなに伝えても…毎日好きが増えるからいくら言っても足りません。
なんの迷いもなく求めて、手放しで身を任せて、渡したぶんの愛を受け取って。なんてしあわせなんだろう、って毎日毎日満たされています。…それでも、貪欲ですからね。もっともっと、ってなってますよ。

……これ以上の伝えたいことはリヴァイさん本人に直接伝えようと思います。自慢するつもりが、ただの惚気になっちまいました。


リヴァイさん、オレを見付けてくれてありがとうございます。これからも一緒に過ごしていきましょうね。オレのリヴァイさん。溢れんばかりの愛を込めて。
25 エレン・イェーガー
リヴァイさん、10ヶ月目です。またこうしてリヴァイさんとひとつの区切りを迎えられることが嬉しく思います。
この前の手紙にも書きましたが、振り返るとたくさんの思い出に溢れています。楽しいこともいっぱいありましたし、擦れ違ってしまうこともありました。どんなこともリヴァイさんへの好きに繋がって幸せに変わっていく。いつも思うのはオレは本当にリヴァイさんと出会えて良かったということ。あの日のことは今でも…、…一年を迎えた心境で書きそうになっちゃいますね。その日のことは折角なんで2ヶ月後にでも。こうしてなんの躊躇いも不安さえもなく先の話や未来の約束が出来るのはリヴァイさんと二人で過ごした10ヶ月の積み重ねの賜物です。ふたりで愛情と信頼をしっかり育んできたから。この薬指に誓ったとおり、健やかなるときも病めるときも…どんなときもです。
オレが途方に暮れてしまいそうなことがあっても、リヴァイさんがくれた言葉に元気を貰って、真っ直ぐ向かっていける力に変わりました。オレにはリヴァイさんがいるから大丈夫だと、胸を張って前を見ることが出来るんです。今はどうしても頼りきりになっちゃいますけど、リヴァイさんが大変なときはオレが同じように…それ以上に力になりますからね。背中は任せてください。

今回はなかなか机に向かう時間が取れなくて…、時間ぴったりにならないばかりか簡単な手紙になっちゃいました。ホワイトデーのあの時にめいっぱい書いておけばよかったなぁ…。今は手紙に書くよりもリヴァイさんとの時間を大切にしたくって。…すみません。……うーん、謝らなくていいって言われそうだな。じゃあ、代わりにたくさん抱き締めてキスします。ふふ、これならいいですか?

今月はストックという花を贈ります。早春に綺麗な花を咲かせるこのストックに、オレの愛情をたっぷり込めておきます。何があってもオレとリヴァイさんを繋ぐ愛の絆があれば大丈夫、なんて…。先月から似たような色合いの花ばっかりになっちゃってますが…春らしくていいですよね。受け取ってください。

リヴァイさん。あなたのおかげで今日もオレは立っていられています。
これからもオレのリヴァイさんだけを愛しています。
26 Levi
正直言っちまうとガキは幾つになってもガキだと思うんだが…。あいつが聞いたら流石に泣かれちまうだろうか、いや…俺が泣かされる可能性の方がデカいんだが。

俺のエレンが生まれ落ちた日だ。目出度いかどうかは別に日頃の感謝と愛情を直接伝えられる日だと考えれば悪くない。全身全霊べったりくっついて祝ってやりたい所だが生憎俺の旦那様はご多忙でな。枕は濡らしてねえがまぁフラストレーションは溜まる。どんなって…それはあいつにだけ向けるモンだと言えば分かるだろう。……クソ、まだまだ甘やかし足りねえ。
いや、今日は愚痴やら小言を残しに来た訳じゃねえんだ。
あいつに…俺のエレンに俺の言葉を残しに来た。


ずっと今日と言う日に似合いの花をこの数ヶ月間色々と探していたんだが…その……俺自身の誕生日ってやつに両手で抱えきれねえ位の薔薇を寄越して来やがったからな、あれに見合うだけの花なんて然う然うお目に掛かれないだろう。
あの時は本当に嬉しかった。他人に祝われる経験はあってもあいつから祝ってもらう瞬間はやはり特別で…この手紙を書いている納屋の天井にはまだ青い花束がいくつも下がっている。ここと別荘の部屋のあちこちに置いてもなんせ144本だからな、有り余る程の愛情を注いでもらっている証拠なんだが…次回はもう少し加減してくれ。庭も部屋も花で埋まっちまう。

俺からの今日を彩る花はカルセオラリアを。ベタにお前の誕生花の中から選ぶ事にした。伴侶。そう、お前は俺だけのエレンで俺だけの伴侶だ。この肩書きと左指の翼を交換し合ったのは出会ってから2週間も経たなかったな。あの頃の俺は必死で…まぁいつだってガツガツしているんだが。互いの綴る言葉を貪るように求め合って、惹かれて、同等のものを与え合える関係だとすぐに確信して…今になっても鮮明に思い返すし読み返したりしているんだぞ。この所は特に。
深い愛情としてはユキノシタも先月受け取ったな。あの花の横にこのカルセオラリアも添えて庭に植えてほしい。
そろそろ本格的に花を植える土地を広げる必要がありそうだ。初夏にでもやるか。なぁ、旦那様よ。

お前の背中を見つめる日々が今は続いていて少しばかり寂しさもあるが共に眠る事はずっと続いていて…こうして一緒に乗り越えられる事だって本来なら感謝しねえとな。
けど、なんだ…その……この手紙もそうだが俺はお前の綴る言葉に心底惚れているから…ちゃんと部屋でも話してえからな。
何度も読み返してもまだ足りねえ。もっとお前を独り占めさせてくれ。
お前と安らげる日々を今は楽しみにして待ってるからな。


俺だけのエレン。
…これから先もずっとお前だけを愛してる。
happy birthday.
27 エレン・イェーガー
リヴァイさん、11ヶ月です。昨年の今頃、オレは何をしていたかなって考えた時に、まだ出会ってないのにリヴァイさんが浮かんできます。それだけオレの中ではリヴァイさんに満たされていて、来月はいよいよ一年という節目にもう浮かれた気分でいるんですが…。まずはそうですね、誕生日を祝っていただいてすごく嬉しかったです。ありがとうございました。ちょうどバタバタしていてゆっくり過ごすこともままならなくて…そこだけが悔しいです…。落ち着いたらこれもひっくるめてのんびりしたいなぁ。
それと、先月の手紙なんですが……本当に恥ずかしいんですけど、ぜってぇ起きてられないと思って予め書いておいたんです。朝起きた時に渡そうと懐に忍ばせたままリヴァイさんに寝かしつけてもらって…、目が覚めたというか寝ぼけて封筒を置いてまた眠っちまって。起きたときにリヴァイさんが先に置いてくれたのに気付いた時には、もう照れ臭いやら嬉しいやら…。めちゃくちゃな走り書きなのもあって、先月のを見返すといつも以上にムズムズしますよ…。


さて、4月になってもオレは相変わらず落ち着かない日々を過ごしています。少し前までは本当に切羽詰まってましたね…。解決にはまだまだ時間を要すると思いますが、この前リヴァイさんと話せてからだいぶ気が楽になったというか…前のめりになり過ぎていた部分がちょっとだけ戻ったような気がします。リヴァイさんには強く言わせるような、嫌なことさせちゃいましたけど……おかげで自分を見失わずにいられるようになったというか。オレ自身のこともしっかり視野に入れられるようになった…と思います。曖昧なのはまだまだその部分が未熟だなぁってとこですね。どうにも身動き出来なくなって漸くダメかもってなるみたいなんで…、これからは少しずつでも吐き出せたらと思ってはいるんですけど、リヴァイさんといると帰ってきたなぁって気抜けちゃうんですよね。それで甘やかしてもらったり、甘えてもらえたらもうリヴァイさんでいっぱいになっちゃいます。今後もリヴァイさんにおんぶにだっこみたいな感じになっちゃいますが、もう少しだけ寄りかからせてください。


さすがにこれだけ贈り合っていると納屋も花屋でも開くのかってくらいにいっぱいになってきましたね。どれもオレとリヴァイさんの愛情で満ち溢れていて、花を見て…香りを感じるだけで幸せになります。庭のカエデもちょっとずつ大きくなってきました。そろそろ土地広げないと…。もっとあったかくなったらやりましょうか。

今月はカキツバタという花を贈ります。オレはリヴァイさんと過ごせる時間がすごく幸せです。今は思うように時間が取れなくて、お互いに寂しい思いをしちゃいますけど…今まで贈った花の通り、オレの気持ちはいつだって変わりません。オレの幸せはリヴァイさんのもので、リヴァイさんの幸せもオレがほしい。ずっとオレのリヴァイさんでいてください。

オレのリヴァイさん、あなただけを愛しています。
28 Levi
出会ってから336日…11ヶ月目だ。一日も欠かすことなくお前とこうして過ごしている日々は当たり前のようでいて…互いにとって奇跡に近い事なんだと改めて実感する。
去年の今頃…出会う直前は俺は完全に疲弊していたな。自分の存在意義すら失いかけていた。こうして安寧に包まれている今が夢みてえで…本当にお前には感謝したい。その気持ちは来月しっかり伝えさせてくれ。

先月の花は…ストックを受け取ったな。お前と俺の絆…受け取った瞬間から薫る花の匂い。多忙なお前を待つ間花瓶に生けたそれとよく紅茶を共にした。俺の気持ちは先日の躍動感あるあれに託している。おっさんが必死になった結果だ、あまり笑うんじゃねえぞ。

あぁ、新たな任務にばたばたしてやがったからな…。折角物事を広く見られる視野があるってのに自分の負担を勘定に入れないで首が回らなくなっている姿は…お前らしくて酷く愛しい。まぁ正直負担なく任務にぶつかっていくお前の方が俺としては余計な気を回さずに済むんだが…惚れた弱味もあるし目標に正面から向かう背中には無条件に惹かれちまう。俺からしたらお前はまだまだガキだし面倒を見るのは当然の役目だろう。おんぶだろうがだっこだろうが図体がデカくなった位で俺には何の影響もねえよ。俺を気遣ってばかりでいつまでも真摯なお前をとことん甘やかさせてくれ。向上心の塊みたいなお前だからな、これからもしっかり支えたい。

それと……今月は遂に終末を足並み揃えて見届けたな。互いに同じような想いを抱いた事が何より嬉しかった。そういった価値観も何もかも同じだからこそ……燕子花を今月は俺に渡すんだろう。お前と共に過ごす幸福をと愛情を…これからもどうか俺だけに注いでいてほしい。
この花を見た瞬間……ヒィズルの古典が浮かんだのは黙っておく。
俺からの今月の花は馬酔木を。多くは語らねえが…これからのお前と俺は何にも縛られる事なく二人だけの旅に出られると感じたんだ。来月は出会って一年だしその時は二人だけで式は済ませたがまだ旅行やらには出掛けてねえしな。その期待も込めておく。勿論互いが優先だが。

ホワイトデーに受け取ったこの銀のネックレスのデザインの意味もまだ聞いてなかったな…照れ臭いのかもしれねえが今度改めてじっくり聞かせろよ、ガキ。

俺だけのエレン、来月もその先もずっと…お前だけを愛してる。