1 エレン・イェーガー

悶えながら床を転がり胸がキュッ!

本タイトルは「無人の部屋で悶えながら床をどったんばったん転がり黄色に光り輝く兵長」――…古城の怪奇現象騒ぎに発展しそうですね。


貴方と出逢って幾日過ぎたか調べてみました。――…7日経過していた様です。
夢だから、此れは夢だから…好きになってはいけない、綺麗な貴方を自由なままに……こう言い聞かせては離れる事を前提に貴方と接していた日々が遠くに感じます。出逢った時から貴方に心奪われていたにも関わらず。どの手紙にも貴方からの想いが乗っていたのに、それに気付いていても腕を握る事を最後まで拒んでいた数日間。拒んだ故に苦しませ、…貴方の綺麗な心に深い傷を付けた。

その責任は、俺の身と心を以て取らせて頂きます。

貴方の為、こんな言い方をすれば義務的に傍らに居ると勘違いされてしまいそうですが、俺の為、……でもあります。掴んだ腕は今後一切、離すつもりはありません。貴方の自由は俺の腕の中だけです。何処かへ自由に飛び立つ翼があるなら、折ってでも奪ってやります。貴方に向けたどす黒い感情を満たす為に。


リヴァイさん…好きです、大好きです。
19 エレン・イェーガー
ゆっくりとした歩みで進んで七ヶ月。

日々、貴方と共にあり、隣に居るのが当たり前になり、それの何れもが温かな記憶で溢れて。貴方の声と想いに触れる事が許される、この場所は誰にも渡したくありません。
だから…もっと、もっと俺に堕ちて下さい。そしてもっと、もっと俺を狂わせて下さい。何処までも何処までも、居心地の良い貴方に堕ちていきたい。


meine liebe fuer dich kennt keine grenzen.
20 リヴァイ
隣に居ることが当たり前になった日々。変わったもの変わらねぇもの、色々あるな。──殆どが変わってねぇ気もするが。…きっとそれは歩む速度のお陰なんだろう、7ヶ月前、物足りなさから飽きを恐れたお前だったがどうだ、寧ろ逢える時間の大切さ、手紙1枚の重さを感じられるようになってねぇか。少なくとも俺はそうだがお前も同じ想いなんだろうな。


解消されねぇ欲求も溢れる想いも触れるだけで嬉しい高鳴りも、何も、かも。


胸に刺さるような言葉を、余すことなく注がれる想いを、お前から受ける俺は幸せ者なんだろう。7ヶ月の感謝と気持ちを此処に。
21 エレン・イェーガー
今日、貴方と出逢いました。
朝まで共に過ごし、眠気でフラフラになりながら、お相手して下さった感謝を述べ、その場を後にしました。
貴方の綺麗な身のこなしが脳裏に強く強く残りました。
この綺麗な人を自分だけのものにしたい。
自分だけのものにしたいけど、そんな事が出来る訳もなく。ならばせめて…、もう少し夢を見たい。
貼り紙を作って貴方を探す事にしました。


あれから1年。
夢から覚めた今も貴方は優しい静寂を纏って、俺の傍らに寄り添ってくれている。穏やかな空気じゃない時や、哀しませた事もあったけど、それ等を乗り越え共に歩んで…あっと言う間の1年でした。

貴方から沢山のものを貰いました。美味いもの、綺麗なもの、面白いもの、真っ直ぐな想い、包む様な優しさ、支える言葉、そして「幸せ」と貴方自身。


1年前の今日、俺と出逢ってくれて、俺と居る事を選んでくれて…

有難うございます、リヴァイ兵長。これからも傍に居させて下さい。…傍に居て下さい。


egal was kommt ich werde dich nie verlassen.
22 リヴァイ
エレン、1年だ。
あの夜にお前と出逢って1年が過ぎた。お前と過ごしたのは数時間、名残惜しいと思いながらも一夜限りになるはずだったお前との縁は繋がってここまできた。

解けそうになっては紡いで結んで、そんな事が何度かあったな。その度にお前の大切さを知って、こうして側に居られることを本当に嬉しく思う。最初の頃は幸せの反面不安が大きく、“本当に俺で良かったのか”、“こんなに想ってくれるヤツと離れる時がくると思うと怖い”と、そればかりだったが月日を重ねていく内に、お前からの想いを受けるごとに、変わっていって不安も恐れもいつの間にか消えていた。それほどの気持ちをお前から貰ったんだな…。


正直、言葉が浮かばねぇ。
幸せの一言に尽きてな…。お前と居られる事も、今まで過ごした日々もこれから先のことも、幸せだ。エレン、ありがとう。願わくば死ぬまで、どうかお前と共に。


金木犀の香る季節
お前と出逢った時と同じ時間に言葉を刻む。