1 エルヴィン・スミス
私の止まり木へ
此処に言葉を紡ぐのは初めてだな、ミケ―――…
今日は私とお前が出逢ってから丁度ひと月だ。
この位の時間にお前が一人酒を呷って居る所へ出向いたのが私達の関係の始まりだったな…。
一目見た時からお前の漂わせる雰囲気や言葉に惹かれ、逢瀬を重ねる毎にそれは愛しさへと変わって行った…。ある種一目惚れに近い感覚、といったところか。この歳にもなってまだ初々しい感情を残して居た自分に驚きだがな。
日を追う毎にお前への愛しさは募るばかりだ。
任務の合間に飛ばす鳩も、眠るまで傍で紡がれる言葉も全てが愛しい―――…。
すまない…拙い私の言葉ではお前に対する感情は表しきれない。だが、これからも傍に居る限り私の心身を捧げると誓おう。そして不器用ながらもお前への気持ちを吐露していこう。
――私の止まり木、寄り添う影、そして
私の愛し人ミケへ宛てて―――――
今日は私とお前が出逢ってから丁度ひと月だ。
この位の時間にお前が一人酒を呷って居る所へ出向いたのが私達の関係の始まりだったな…。
一目見た時からお前の漂わせる雰囲気や言葉に惹かれ、逢瀬を重ねる毎にそれは愛しさへと変わって行った…。ある種一目惚れに近い感覚、といったところか。この歳にもなってまだ初々しい感情を残して居た自分に驚きだがな。
日を追う毎にお前への愛しさは募るばかりだ。
任務の合間に飛ばす鳩も、眠るまで傍で紡がれる言葉も全てが愛しい―――…。
すまない…拙い私の言葉ではお前に対する感情は表しきれない。だが、これからも傍に居る限り私の心身を捧げると誓おう。そして不器用ながらもお前への気持ちを吐露していこう。
――私の止まり木、寄り添う影、そして
私の愛し人ミケへ宛てて―――――
29 エルヴィン・スミス
15回目の記念日、おめでとうミケ。
こうして指折り数えて迎える節目も両手では足りなくなってきているよ。嬉しい悲鳴といった所だろうか。
まだまだ外は冷え込む時期だ、久し振りにまた暖炉の火に当たりながらホットワインでも振る舞おうか。
不器用なのは変わらずだがお前の為ならば惜しみ無く。
ミケ、これからも傍に―――
こうして指折り数えて迎える節目も両手では足りなくなってきているよ。嬉しい悲鳴といった所だろうか。
まだまだ外は冷え込む時期だ、久し振りにまた暖炉の火に当たりながらホットワインでも振る舞おうか。
不器用なのは変わらずだがお前の為ならば惜しみ無く。
ミケ、これからも傍に―――
30 ミケ・ザカリアス
16度目か…率直に感慨深い。
安定した愛情とはまた別で、悪い意味でなく移りゆくものはあっても俺達は変わらずこうして一緒だ。やはりそれは心から嬉しいと思う。
そうだな、まずはやはり春を迎えたら花見酒を愛するお前と共に楽しめたらとまた改めて考えた。
それから後は手を繋いで散策もいいな。何をするでもなく隣にお前が居ればまずはそれだけで充たされる。
エルヴィン、数多の中でお前と出会って惹かれたのはどうあっても必然だったな。
お前はどうだ。同じか?
俺はお前の為の俺であるように、またお前もそうであってほしい。今更だったか?それもいいだろ?こういう事は繰り返し確認してこそ幸福感も増す。
有難うとおめでとうを、最愛なるお前に捧げる。
安定した愛情とはまた別で、悪い意味でなく移りゆくものはあっても俺達は変わらずこうして一緒だ。やはりそれは心から嬉しいと思う。
そうだな、まずはやはり春を迎えたら花見酒を愛するお前と共に楽しめたらとまた改めて考えた。
それから後は手を繋いで散策もいいな。何をするでもなく隣にお前が居ればまずはそれだけで充たされる。
エルヴィン、数多の中でお前と出会って惹かれたのはどうあっても必然だったな。
お前はどうだ。同じか?
俺はお前の為の俺であるように、またお前もそうであってほしい。今更だったか?それもいいだろ?こういう事は繰り返し確認してこそ幸福感も増す。
有難うとおめでとうを、最愛なるお前に捧げる。
31 エルヴィン・スミス
お前と迎える2度目の春がやって来たな、ミケ。
お前が私に色をさしてくれたようにそろそろ草花が芽吹き世界を彩る時期だ。
もう少し暖かくなったら花見でもしようか。
たまには膨大な書類の山から抜け出す口実に、お前を誘って見晴らしの良い場所へと足を運ぼう。
また二人で同じ景色を眺めたいんだ。
お前は首を縦に振ってくれるかい…?
なんて聞く私は野暮だな。
その答えは直接聞かせておくれ。
16回目の記念日おめでとう、ミケ
愛しい私の止まり木へ宛てて…
お前が私に色をさしてくれたようにそろそろ草花が芽吹き世界を彩る時期だ。
もう少し暖かくなったら花見でもしようか。
たまには膨大な書類の山から抜け出す口実に、お前を誘って見晴らしの良い場所へと足を運ぼう。
また二人で同じ景色を眺めたいんだ。
お前は首を縦に振ってくれるかい…?
なんて聞く私は野暮だな。
その答えは直接聞かせておくれ。
16回目の記念日おめでとう、ミケ
愛しい私の止まり木へ宛てて…
32 エルヴィン・スミス
私の止まり木へ宛てて
此処に言葉を残すことをどうか許して欲しい。
お前が私に鳩を飛ばさない限り、一方通行で顔を合わせる機会などないだろうから…
どうしても伝えたかった感謝の気持ちだ。
お前と過ごした一年と少し、とても幸せだったよ。お前を通して色んな者達に出逢えたしね。懐かしい面々を思い出しつつ、様々な行事事も共に楽しんできたね。
忙しい合間を縫って撮ってくれた写真も、私達の部屋も私の宝物には変わりない。
最後まで言葉を交わすことが出来なかったのは名残惜しいが…、それがお前の答えなのだろう。
夫婦としての関係解消を言い出したのは私だからね…無理もない。
だが、寂しかったのは事実なんだ…。
今となってはお前の耳に届かない言葉かもしれないが…お前と出逢えて幸福だよ、ミケ。
どうか、息災であっておくれ。
此処に言葉を残すことをどうか許して欲しい。
お前が私に鳩を飛ばさない限り、一方通行で顔を合わせる機会などないだろうから…
どうしても伝えたかった感謝の気持ちだ。
お前と過ごした一年と少し、とても幸せだったよ。お前を通して色んな者達に出逢えたしね。懐かしい面々を思い出しつつ、様々な行事事も共に楽しんできたね。
忙しい合間を縫って撮ってくれた写真も、私達の部屋も私の宝物には変わりない。
最後まで言葉を交わすことが出来なかったのは名残惜しいが…、それがお前の答えなのだろう。
夫婦としての関係解消を言い出したのは私だからね…無理もない。
だが、寂しかったのは事実なんだ…。
今となってはお前の耳に届かない言葉かもしれないが…お前と出逢えて幸福だよ、ミケ。
どうか、息災であっておくれ。