1 ベルトルト・フーバー

Meine liebe

*Frohe Weihnachten*

Meine liebe Krista Lenz
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書き出しを何にすれば良いのか悩んだ結果、クリスマスカードという名目で此処に残させて貰います。

僕達が出逢ってから一月計算するのにも未だ片手で容易く足りる程度、けれど毎日顔を合わせて言葉を交わし、欠かさない手紙のせいかもっと永く一緒に居るんじゃないかって勘違いをしてしまう。
其れでも日に日に募る想いは確かなもので、未だに落ち着きを見せる気配は無いんだ。
やっぱり、手紙を書く為に持った羽ペンも緊張で少し震えている、流石にそろそろ慣れないといけないと思うんだけれど…。この緊張感を忘れたくも無い。

僕と出逢って何か変わりましたか?
僕は変わったよ、色んな事が変わった。クリスタと出逢ってから現在、とても幸福なんだ。
この胸の奥に在る温かい気持ちを忘れないように何度でも感謝を伝えたい。
あの日、僕の声に答えてくれて本当にありがとう。

日々君の瞳に囚われ、君の仕種に魅了され、君の声音に擽られ、君の触れる熱に溶かされている…こんなにも幸せで良いのかな。
愛らしい君が飽きて仕舞わないか不安な僕は、あの手この手で君に余所見をさせない為の罠を仕掛けるのに必死なんだよ。
だから……どうか、僕の傍から離れないで。

この先も愛させてください。
その誓いをこの恋文と一緒に君の元へ。

僕の唯一、僕だけのお姫様――ヒストリア。

Für dich ist nichts gut genug.


Dein Bertolt Hoover
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6 クリスタ・レンズ
きっとあなたは此処に気付かない、そう踏んでこっそりと。もうすぐ三ヶ月になるんだね。長かった様な、あっと言う間だった様な…変な感じ。勘のいいベルトルトは何でも直ぐに先回りしちゃって、色んな事がバレバレな私は少し恥ずかしい。

この二ヶ月、幸せだったかな。三ヶ月目もあなたの傍に居られるかな。…なんて、不安な訳じゃ無いの。楽しみなんだよ。

でも何でも好き放題言っちゃう私だからもしかしたら負担になっちゃってるんじゃないかって考えるの。会う事、手紙を書く事を義務にはしたくないし、何よりベルトルトに無理はして欲しくない。…だから、もし何か有ったら言って欲しいな。

ベルトルトが此処に気付くのは何時になるかな。気付いたら教えてね?私からは言わないんだから。

今も変わらずあなたを愛しています。
7 ベルトルト・フーバー
三ヶ月目もありがとう。

とても充実した毎日に一日一日が過ぎるのがとても早くて、勿体無い気さえもするよ。
前頁の君の書き込みには直ぐに気付いてしまって…もしかして君の期待を裏切ってしまったかな…僕としては君の書置きに直ぐに気付けて嬉しいんだけどな。

僕が君の傍に居たいんだから、君だって同じだろ?僕もこの先君と一緒に居られる毎日が楽しみだ。
冬になり始めた頃に出逢って、年を越えてそろそろ次の季節に移り変わるんだろうな。新しい季節ではどんな君が見られるのか今からとても楽しみで堪らない。

せめて一日でも長く一緒に生きて行こう、この願いはずっと変わらない。

ヒストリアの言葉や仕草に今でも一喜一憂して仕舞う程に、君が愛しいよ。
8 ベルトルト・フーバー
少し間が空いてしまったらこんなにもこの場所が沈んでしまうだなんて…油断出来ないな。

此処に記さない間に少し色々とあったね。お互いに考える事も、時間も多かったと思う。でも、こうしてお付き合いをしながら一緒に居る為にはそういう時間も必要なんだろう。
お互いに思っている事を隠している儘では何の解決にもならない。
君と一緒に居るようになってそう思うようになった。
今までは自分の為に、相手の為にって様々な感情を押し殺してその人の傍に居ようとする事ばかり考えていたけれど、
結局自分の為にも相手の為にもならなくて…苦しい思いしかしなかった。

今は、ヒストリアに対して僕の色んな面を曝け出せるようになったのは…君が確り僕と向き合って受け止めてくれるからだよ。
本当にありがとう。


今日も変わらず君の事を愛してる。
9 クリスタ・レンズ
あなたの居ない夜、一人ぼっちの部屋。こうして過ごす事も最近増えてきたね。伝えたくても言えてない事が沢山有って、でも何よりもあなたに捧げたいのはきっとあの頃と何ら変わりない。

あなたが好きよ、愛してる。

逢えない時間もあなたからの言葉をなぞって、待ってる。