1 アルミン・アルレルト

ありがとう

君と出会ってひとつき…この日を迎えられて本当に嬉しい。

まだひとつきだなんて信じられないくらい、長い時間を君と過ごしてる様な気がするよ。

一緒に居てくれてありがとう、一緒に未来を目指してくれてありがとう。
僕らはきっともっと仲良くなっていけるよね。その為の努力なら僕はいとわない。

…ねえ、ジャン。まだ君に言ってない大事なことがあるんだ。
君はとっくに知っているけど、直接僕の口からは一度も言っていないこと。
何度口から出かかっただろう、その度に誤魔化して、君がくれる嬉しい言葉にもすっとぼけたふりをしてた。
君がくれる言葉がどれほど僕を喜ばせるか、君は知ってるのかな。
逆に僕は君を喜ばせることは出来てるのかな。
ねえジャン。僕がそれを言うことで君が困ってしまうなら、僕はこれからも言わないけれど…
でも本当はそんなことなりふり構わず叫びたいんだ。
…ただの我侭かもしれないけどね。


臆病者の僕から、臆病者の君へ。
これから迎える季節を君と過ごせるように祈って。


追伸
…そうそう、僕の雪うさぎ、実は兄弟じゃなくて君と僕のつもりだったって言ったら笑うかい?
7 アルミン・アルレルト
今月も二人でこの日を迎えられたことに感謝を。


4ヵ月間、ありがとうジャン、そして5ヶ月め突入だよジャン!これからもよろしくね!
もうすっかり定着した君への朝の挨拶も、今日は僕少し待ったんだ。わかってくれたかな…?
大雪にはしゃいで、膨らみ始めたつぼみに春を感じて、あっという間に桜が満開になって…気がついたらもう夏間近だ。
その前に梅雨だね、ジャンは雨は好きじゃないっていってたけど…二人で過す季節はきっと楽しいに違いないと思うんだ。
雨の日には相合傘をして出かけよう、人前でも堂々とくっついて歩けるよ。
僕は夏は苦手だけど、ジャンとなら間違いなく楽めるよ。
増えていく約束も幸せだ、二人でしたことにつまんない事なんてなかったよ?毎日ちょっとした事でも僕たち大騒ぎできるもんね。

運命も、奇跡もある、なにか見えないものに引き寄せられて護られてる。ジャンは僕のお陰だって言うけど違うんだよ、二人だからだ。二人が傍に居たいって想いあってるからだと思うんだ。

いつか君はいったね、浮気をしたらどうするって。僕は黙っていなくなるなんて答えたけど…でももちろん、そうなる前にしっかり二人で話し合って、誤解ならそれを解きたいと思ってる。
っていうかそんな事になるとは天地がひっくり帰っても無いって君が僕に信じさせてくれてるけどね。
でも喧嘩ならありえない話じゃない、僕らは想いあってはいるけどきっとお互い譲れないことだって出てくると思うんだ、違うところも勿論尊重しあっていきたいけど、君が思うようにぶつかるなんて無いっていいきれないよね。
そんな時、たとえ一時背を向け合っても僕は何度でも君と向き合うよ。僕らの糸は深く繋がって絡まりあってる、そう簡単には解けないし切れないよ。
君が迎えに来てくれるなら…ううん、僕だって君を迎えに行くよ。欠片じゃない、同じ気持ちを持っているって信じて欲しい。


僕は…君に対して遠慮しちゃうところがまだまだある、だってこんなに沢山幸せもらっているのにあれもこれもなんてわがまま言いたくない、けど、ジャンがそれを寂しいと思ってくれるのが嬉しいよ。これでも随分おねだり言える様になったと思うんだけどどうかな?
本当に僕はね、身に余るほどの幸せを毎日君からもらっているよ、愛されてるんだって毎日君が実感させてくれるんだ、ジャン、ありがとう。だいすきだよ…!


彼女の事も、ありがとう。いつか二人で会いに行こう、二人でお礼を言おう。
感謝できるって幸せだね、ジャン。

今日が明るい青空の下で迎えられたことが嬉しい、君も同じ空を見上げていい天気だって、笑ってくれるのが嬉しいよ。
毎日のなんでもない、他愛の無い天気の話も毎日君と出来るのが嬉しい。
この溢れる幸せをさ、短い言葉で表現しろって言われたら間違いなく「ジャン」だと思うんだ。
なんでもないとき、うきうきしてるとき、相変わらず君の名前が思わず口に出ちゃうよ。


僕は自分の癖ってよくわからないけどそれを君が知ってるって特別だよね。
そうだ、ジャンの罰ゲーム、まだしてなかったね?何にしようかな……。


僕のジャンへ君のアルミンより。

追伸
お気に入りが増えるのも嬉しいね。きっとその気持ちは愛以外の何物でもないと思うんだけどどうだろうかキルシュタイン君。
8 ジャン・キルシュタイン
アルミン。お前を大事にしていくって決めた日からずっと、誓った想いは揺るがねぇままだ。

好きだ。

四ヶ月が経ったんだな。短いようで長い。俺はいまいちピンときてねぇが、四ヶ月もありゃ色んなものがそこそこ変わる。今もまだはっきり思い出せるあの日の空の色も、肌に触れる風の冷たさも、季節が変わろうが俺はぜってぇ忘れねぇ自信がついた。

もうすぐ二つ目の季節を跨ぐな。
前から言ってるように、俺は雨が大嫌いだ。だがそんな日も、晴れの日と変わらずに目が覚めたらお前が“おはよう”をくれるからよ、そんなに憂鬱じゃなくなったんだぜ。
雨が降る日にわざわざ出掛けるなんざトチ狂った暇人がするこった、なんて思っていたがお前が連れ出してくれるならそれはきっと楽しい。
二人で差すなら少し大きめの傘を新調しようぜ。それも二人で探しに行くか。
俺が大嫌いなものをひとつマシにさせた代わりに、お前が夏を苦手だってんなら好きになれるようにしてやるからよ。それも俺に任せろ。

好きで好きでたまんねぇあまりに、お前は俺のだっていう消えない証を刻みたくて贈ったリングで、二人して浮かれた今月はまた一段と濃い月になったよな。
つーか今月だけで宝物が増え過ぎた。
願いを刻んだリング、想いの翼を持った指輪、そしてこれがなかったら俺たちが今こうしていなかったかもしれない鍵。
刻んだリングは未来を目指す人指し指に、想いの翼は縁繋ぎの鍵と一緒に、今日も胸元で揺れてる。
一日だって着けてない日はねぇ。動くたびに耳に届く音はお前が言った通り“幸せの音”だ。
この音を聞くだけでささくれだった気分も嘘のように戻ってむしろバカみてぇに顔が弛んじまうよ。
毎日の習慣がまた増えた。目が覚めたら真っ先にお前と話して、人指し指にキスをして、首から幸せをぶら下げて、寝る前にまたお前と話して、ベッドの中で記帳に記す。
こんな幸せな習慣があるヤツなんか他に居るのか?いや、ぜってぇ居ねぇ。悪いがこの世界の誰より、俺がいっちばん幸せ野郎な自信があるね。

お前が不意に口に出す“ふたり”は、俺の好きな言葉のひとつになった。
俺はずっと誰の言葉も心底は信じられねぇで上辺だけの生返事をしながら内心で嘲笑ってきたクズ野郎だったが、お前がそれを変えてくれたんだ。
今なら心の底から言える。俺はお前を信じてるぞ、ってな。
そして真っ直ぐただひたすらに願うこともできるようになった。
「この先の季節ずっと、本当のずっとを、アルミンと一緒にいたい」

同じ想いの丈を、俺は一欠片でいいと言ったがあれは悪いが嘘だった。
言うのが怖かったんだ……本当は同じであってほしかった。
俺は何も頼んでねぇよ…なのにお前も同じだけ持ってくれるのか。
……こんな幸せなことはねぇ。もう隠す気にもならねぇよ…お前の言葉を聞いた瞬間に俺は情けなくボロ泣きしちまった。
……今もだが。

好きでたまんねぇ。
愛しくて苦しい。
幸せすぎて怖ぇ。

巨人なんかより違う意味で怖くなるくらい満ち足りたこの幸せを短く表すなら?俺は瞬時にこう出たぜ…“俺とアルミン”。

運とか縁とか奇跡とか周りの連中にも礼を言いたい。が、
俺が無自覚に一番欲しかったものをくれて、無意識になにより願っていたことを叶えようとしてくれるお前に、俺ができるだけの最大級の感謝と想いを捧ぐ。

最愛の想い人。
酔って絡んで怪我した挙げ句にここじゃ言うのを憚られる事態になった俺を“かわいい”なんて言う少しブッ飛んだアルミンへ。
毎日来る手紙ににやけてたくせに首から下げた幸せにまでにやけて毎日毎日飽きることないどころかまだ足りねぇ感情を夜な夜な記す気持ち悪ぃヤツになっちまった俺より。

……幸せすぎて顎が伸びそうだ。それでも愛してくれんだろ?

春の終わりの風に揺れる髪へ、底の見えない愛を含んだ口付けを。


PS、愛、か。なんか足りねぇな、アルレルト先生さんよお。もっとこうしっくりくる表現知らねぇか?例えるなら血湧き肉踊る、的な……
つーか罰ゲームすっかり忘れてたわ……な、なんでも受けて立ってやるよクソ…大好きだバーカ。
9 アルミン・アルレルト
また一つ月をまたいで、ついに6ヶ月目に突入だね。
心配したほど君が苦手な雨が降らなくて良かった。
今日君に言われてずっと僕らの記念日は晴れていたのに今更ながら気が付いたよ。

次のこの日はもう暑くて暑くて堪らないんだろうなあ……あんなに凍えた季節から、移りゆく日々を君と過ごしてこれたことに本当に、感謝してるよ。

僕らの関係はこれから少しずつ変わっていくんだろうか、未来なんて誰にもわからない。けど君と過ごす未来なら僕はきっと楽しんでいけると思うんだ。
不安がないと言えばうそになるよ、でも君と僕と、二人なら大丈夫。


大好きな大好きな君へ、今回はすごく短くなっちゃってごめんよ。けどなんとかこの日付のうちに残したかったんだ。
また改めて追記することだけは予告しておこう…!
10 アルミン・アルレルト
ああ、もうひと月経ってしまったんだな。
なんだか僕はここのところ本当に…口だけになってしまってる。ごめんよ、ジャン。

あれから半年経ったんだね。不思議な感覚だ、このひと月僕は随分と思い知った気がするよ。僕がどれだけ自分勝手に君を好きだったかって。
だった、なんて過去形にしてしまうのは間違いか。
悲しかったり、苦しかったり、眠れない夜を重ねて…時には理不尽に怒ってみたりもしたし、寂しすぎてやけになったりもしたけれど僕の気持ちは変わらないらしい。

もし、……だったら、なんて色々な事を考えたんだ。けどその度に君がくれた言葉を何度も思い出した。
君がくれたたくさんの言葉を、重ねた約束を、そしてその度に僕はなんて幸せだったんだろうって。
僕は君から貰ってばかりだった気がするな。

本当はさ、ここを消してしまおうかとも考えたんだ。
けど伝えたって伝えなくったって僕の気持ちは変わらない、ならやっぱり残したいなって。自分勝手だよなあ…ごめん。

僕らを取り巻く環境は日々変わっていく、人の心はよく水に例えられるよね、変わらないものなんてないんだ。
けどそれを責めたり、悔やんだりはしたくないししてほしくない。
ただ一つ言えるのは……ジャン、僕は君が好きだよ。きっとこれからもこの気持ちは変わらないだろう。
今、君の支えになれない自分が不甲斐ないくて辛いし悔しい。でも、僕は君の成功をいつも祈ってる。
ありきたりの言葉だけど君と過ごした時間は僕の宝物だ。……ありがとう、ジャン。