1 ベルトルト・フーバー

mein Lieber

出会って一日目で告白なんて、こちらの世界の僕はずいぶん生き急いでるみたい。

だって仕方がないよね。
僕はいつだって君の隣で、君の一番近くで、君の紡ぐ言葉を聞いていたいんだ。

可愛い可愛い僕の君へ。

追伸
最近、僕のこと可愛いって言いすぎ。
そのうちお仕置きするから、覚悟しておいてね。
37 ベルトルト・フーバー
一緒に暮らし始めて二十四ヶ月目。

今では隣にいるのが当たり前で、名前を呼べば返事をしてくれるのが当然のようになっていて、臆病な僕でも未来への約束を怖がらなくて済むようになったんだ。
君は僕に沢山の勇気と、素敵なものをくれる人。
そして、たぶん僕が一番恐ろしいと思う人。

もう少し暖かくなったら一緒に花を見に出かけよう。
夏になったらきらきら輝く海と、僕らの歩いたあの道を見に行こう。
秋になったら君の大好きなお祭りで一緒に騒いで、冬になったら二人でかじかんだ手を繋いで僕の大好きなお祭りの日に大きな樅の木の下で大切な大切な君にキスをするんだ。
そうしてまた一年が過ぎて、君が僕の隣にいる日々が続いたことへの感謝を来年もまた告げられますように。

僕のもう1つの心臓──愛しい君へ。
(忙しくなりそうだけど、君が帰る場所である限り、僕は頑張れる。)
38 ベルトルト・フーバー
一緒に暮らし始めて二十九ヶ月目。

この世界に来て、どんなにか長い時間を過ごしただろう。
長い長い時間は僕を変えて、君を変えて、少しずつ少しずつ形を変えていった。
変わらないものなんて無いって知ってたのに、少しばかり幸せすぎて僕はそれを忘れていたみたいだ。
ごめん、まだこの手は離さない。僕の意地みたいなものかもしれない。
でも、あの言葉を言った時から僕の心は決まってたんだ。

だから、もう少しだけよろしくね。
僕が大好きで、大好きで、とってもこわいと思う人。
君の一年が沢山の素敵なものに溢れますように。

ハッピーバースデー、誰でも無い僕のライナー。
(…できれば恥ずかしいから暫くは見つかりませんように。)
39 削除済
40 ベルトルト・フーバー
一緒に暮らし始めて三十ヶ月目。

さて、この一ヶ月。
お互いに忙しくて慌ただしい日々を送ってきて、久しぶりのデートも何だかよそよそしくて、正直ちょっと、いやかなり、寂しかった。
それでも寂しいなんて喚いて困らせない程度には、僕も大人になっただろ。

相変わらず君のことが大好きだよ、僕のライナー。
君が見せてくれる景色が好き、君が話す言葉が好き、君のきらきらした瞳が好き。
大騒ぎして、楽しかったって笑う君が好き。
優等生の顔をして実は影で一生懸命で、時々緊張の糸が切れてしまうところも好き。
君がきらきら輝いて、笑っていられるなら、僕はきっと何だってするだろう。

プレゼントは星の流れる空をとじこめて。
(たまには、僕に凭れにきてね。ちゃんと受け止めるからさ。)