1 ジャン・キルシュタイン

諦め

どっかでずっともうダメだと思ってた。
ここ暫くは透明人間みてえだと。
仕方ない。わかってた。
呆気なく居なくなったのもそれはそれで気遣いの一つなんだろうなとか。

全部を仕方ないで済ますにはまだ覚悟が足りてなかっただけで。わかってはいる。

やりきれない。ってのは、こういう感情だろうか。処理しきれない。

いい人ぶって気の効いた言葉をかけることも出来なかった。ホント、足りてねえ。
先のことなんて何も話せてねえし、そもそも無い可能性が高いけど。万に一つ何かあっても。もう会えない。お前がじゃなくて、俺が。
そんな気がする。