1 エレン・イェーガー

もう終わり

募集の時から恋人は一人だけと散々謳っていたあなたがまさか他の姿で他の人と恋人になってるだなんて思ってませんでした。違和感はたまにあったけれど、つい先日までは綺麗に騙されてましたよ。
でもオレが一番悲しかったのはそこじゃない。あなたはオレの描写を褒めてくれてたけどオレから送った描写の表現をそっくり真似たものをその相手に送ってますよね。それが何より悲しくてショックでした。オレはあなたが他人を口説くための描写の製造元でしかなかった。それがどんなに惨めで人として辛いものか想像した事なんてないんでしょうね。オレの気持ちも時間も全部無駄だった。あなたにはオレという人間そのものは不要だったんだから。装置や機械のように次々にネタや描写を提供するだけの道具。そうでしょう?だからあなたからはほとんどネタを振らず描写をひたすら褒めてくれてた。回収するのが目的ですもんね、そりゃ次が作られなきゃ困りますよね。
そんな行為に気付いてからも様子を見ていたのはあなたがもしかしたら変わってくれるかもと期待していたからです。結局無駄でしたけど。
オレからの供給がなくなったらまた誰か供給元として次の犠牲者を探すんですか?他人の描写を流用して一部抜粋して言葉を盗みまくって。そうして出来てるのがあなたです。あなたから貰った描写もきっと他人から流用したものだったんだろうな。
ずっと信じてました。忙しいという言葉も疲れて眠いという言葉にも休日の約束の急なキャンセルにも無理をしないよう伝えてきた。あなたが大事だったし心配だったからだ。その間他の人にオレの描写を弄ったり取り入れて違うオレに送ってるなんて思いもしなかった。あなたはオレの顔が好きですもんね。
もう全てが虚しくてどうでもいい。人として扱われずこんなにも辛い思いをするならあなたと出会いたくはなかったですよ。別れる際はあなたの次の幸せを祈りたいとずっと思ってたけど嘘を吐いて人との約束を突然取り下げたり長時間待たせてその間他人と話すような、人の描写をあっさり流用するような不誠実な人の幸せを願えるほどオレは出来た人間じゃありません。あなたはこの世界が対人で成り立つ世界だということを理解されてますか?
どうかあなたが早くこの場所からいなくなってくれと願うばかりです。さようなら。もう他の人がオレと同じ被害に遭わない事だけを祈ります。