1 リヴァイ

今更

不意に古い箱を引っ張り出す機会があった。
もう何年前の記録…それこそ俺も忘れて居たようなやり取りが沢山詰まってあった。仲間と会合したり一生懸命話していたり、俺は昔の方が余程人間味もあったな…よく言えばそう、悪く言えば己の事しか考えてねェしみったれたガキだった。
俺は最後、お前に到底許されねェ別れ方をした。恨む程の情も何も無く、禍根なんぞ残して居なければ良い。恨まれたくねェとかじゃねえ、無関心な程俺の存在がお前の中でどうでも良い存在になって居て欲しい。それ程酷ェ事をした俺が願えるのはそれだけだ。
沢山泣かせて、暖かいお前を裏切っちまって済まなかった。あんなに愛していたのに唐突に逃げて…悪かった。
5年以上も経過した、長い月日がお前の傷を癒しただろうか。俺の事は記憶の端にも残さない程忘れて、優しくて良い男と一緒に楽しく幸せに暮らして居てくれたらと思う。それだけが願いだ。
人生のほんの僅かな時間であれ…お前と過ごせた日々は今も俺の記憶に残る思い出になった。こんな面倒臭ェ俺の為に、沢山のモンをくれて有難うよ。