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霞桜―第二夜――

大きく開かれた足の付け根をちろちろと舐められる。
手を浴衣の帯で絞められ、淫らにはだけた浴衣から素肌を覗かす。
身体の中心に勃った先からは、雫が流れている。
「紫鳴(しなり)、綺麗だよ」
そう言って沙蹴(やなける)が白い大腿に頬を擦り寄せる。
「ふううっ、ふうっ」
縛られて手で口を塞げない紫鳴が声を震わせた。
「どうしてほしいの?逝きたいの?」
沙蹴が紫鳴の完全に勃っているそこを下から上へ舐めながら尋ねた。
紫鳴の下半身が震える。
「ねえ、どうなの?」
沙蹴の舌が睾丸を通って、下へと下がっていく。
「逝きたい?」
沙蹴の舌が紫鳴の穴に突き刺さる。
下半身が震え、ぴゅくりと透明な液が飛び出る。
「はああんっはあん、お兄様ぁ」
甘えたような声が部屋に響いた。
「紫鳴、かわいいよとても。お願いだから、そのかわいい口から卑猥な言葉をつむいでおくれ」
「逝きたいかい?」
さっきより奥にほじくるように舌をハメる。
「んああんっ、逝きたぁい、逝きたぁい」
沙蹴は満足した顔をして紫鳴を拘束していた帯をはどき、その紐で紫鳴のかわいい陰部の付け根を縛った。

紫鳴の瞳が潤む。
「もっと。もっと聞かせておくれ。その言葉を。もっともっといやらしい言葉を出しておくれ」
「お兄様…」
「ねえ、どうか私のお願いをきいてくれ。でないと壊してしまうよ、ここを」
そっと結び目を触る。
そして沙蹴は紫鳴の陰茎の先を舌でほじくるようにつつき、くわえると、搾り取るように吸い上げながら頭を上下させる。
「でもお兄様、はううん」
紫鳴は口を押さえて身体を反らした。
息が上がって胸が大きく上下している。
沙蹴の指は紫鳴を追い込むために、お尻の割れ目に突き刺ささる。
「ああああんっ」
紫鳴が声をあげる。
沙蹴の指は容赦なく中へと入れられ、擦りつけられる。
そこはもちろん、紫鳴が最も喜ぶ場所だ。
あそこをしゃぶられながら指を出し入れされて、紫鳴の意識は朦朧となる。
紫鳴は身体をビクビク震わせながら言った。
「きもちいぃよぉ、出したい、だしたいのぉ」
「おにいさまぁ、おにいさまぁ」
さっきとは別人のように足を広げ、せがんで鳴く。
2
「なにを出したいんだい紫鳴」
言いながら紫鳴の顔を眺めながら二本目を入れていく。
「精液、おいしい、入れて欲しいの」
「んああっ、はああんっ」
「何を?」
「決まっています、お兄様のおちんちんだよう。でちゃう、でちゃうのに〜」
ずっ。その時、沙蹴はにこりと笑い紫鳴に身体を沈めた。
「はああああああっ」
紫鳴の身体は何度となくびくんびくんと挽きつくのに射精はできない。
「お兄様おねがい。逝かせて」
「まだ紫鳴のいやらしい声を堪能していませんよ」
容赦なく奥を激しく突く。紫鳴の柔らかくなった肉をえぐるように、大きく、小刻みに。
「おにいさまのおちんちんおいしいよう、とってもおいしいよぅ、もっと、もっと食べたい!」
そう言って紫鳴は自ら腰を浮かせ、振りはじめる。
自分が一番気持ち良くなる場所に沙蹴の硬いものがあたるように。
「なんて厭らしい格好をしているんだ、紫鳴は。恥ずかしいと思わないのかい?」
「だって、おにいさまのがあたってきもちいいんだもん、きもち、いいよぅ」
「じゃあこれはどうだい」
沙蹴に力強く腰を回されうつぶせにされると、高く腰を持ち上げられる。そのまま肉棒で突き刺さる。
「ひいいっ!」
紫鳴の口と陰茎の先から透明の液がたくさん垂れた。
悲鳴など気にせずにズンズンと貫いていく。 
「どう?もっと気持ちがいいだろう?」
紫鳴のぷるりとした尻を叩く。
ぱちん。ぱちん。
「はああんっ、はああんっ!お兄様のきもちいいよーきもちいっっ」
紫鳴は上半身を床に付け、尻だけを高く上げると動かし始める。
じらすようにお尻をゆっくり前後させたかと思うと、堰を切って大きく円を書いたりしながら、自分の物をしごいてゆく。
「おにいさまぁおしっこだしたいの、もれそうだよー」
「はあん、はああん」
出せないのはわかっているのに、無我夢中で両手でしごいていく。
沙蹴はその姿を見て満足そうに笑い。
「ふふ。汚らわしいからたくさん出しなさい」
後ろから手を伸ばし帯を解く。
しゅる、しゅる。
どくどくと堰を切って垂れ流す。
「んっんっふう」
紫鳴は身体を震わせながら、やっと出せた快感を感じていた。
「下品だね、それは下衆な出し方だよ。とても紫鳴らしい」
勢いなくひっきりなしに先端から出る。
「いつまで出し続けるつもりなの、さっさと止めなさい」
「はい」
「あっ」
手で防ごうとすると、指があたっただけで反応し勢い良く噴出す。
「ぼく、おもらしが気持ちいいの、見てお兄様、こんなに」
そう言って、沙蹴に見えるように自らをしごき出し、気持ちよくて涙を流した。
「本当だ。節操無しにたくさんもらして。そんな汚い犬にはエサはあげないよ」
「本当に汚い」
そう言って沙蹴は汚いものを見るように見下し、紫鳴から自分のものを引き抜く。
「ひやああっ!」
悲鳴のような声をあげた。
「おあずけだよ」
優しく言う。