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霞桜―第三夜――

ヴヴヴヴ…
病気がちな紫鳴が、久しぶりに登校した。
ほとんど学校に来ない紫鳴には友達なんてものはいなくて、教室では一人ぼっちだ。
それでも不便はなくて、気にせずに教科書とノートを広げる。
むしろ気になることといえば。
ヴヴヴヴヴ…
さっき、昼休みの間にお尻に入れられたもの。それは、たまたま廊下であった沙蹴にトイレに連れ込まれ、入れられたおもちゃだった。
教室の一番後ろの角の席で、紫鳴は息を潜める。
静かな授業の中、バイブの音だけが響いているようで先生の話なんてとても耳に入らない。緊張の余り心臓の音が聞こえてくるありさま。
手の平や額にはうっすらと脂汗が出ている。
それでもお尻の中のペニスの形をしたものは、ブルブルと震え続けている。
――放課後にはこれをはずして、いいことをしてあげるからね。それまでは抜かずにしっかりと授業をきいておくんだよ。
やさしく兄に言われて、従おうとする弟。
でも、もう下着はぐちゃぐちゃで奥が痒くてしかたがないよう。
なにより誰かに気づかれでもしたら…
紫鳴はたまらずに、体調が優れないとクラスを出てトイレにかけこんだ。
トイレの個室に入り、慌ててズボンと下着を脱ぐと、それを引き抜こうとした。
「紫鳴」
聞き覚えのある声に呼ばれて、身体がびくりと震える。
「お兄様」
戸を開けると目の前に涼しい顔の沙蹴が立っていた。
「約束を破ろうとしたね、おしおきだよ」
こっちへおいでと手を引かれる。
紫鳴は、固まった顔をして急いでズボンを上げると後について行く。
どうしよう、お兄様を怒らせてしまった。
僕が怒らせてしまった。
お兄様に見放されたら生きては行けないのに。
2
誰もいない屋上で、手すりの前に立たされる。
少し風が吹いていて髪が風にさらわれる。
「下を脱ぎなさい」
命令されて、震える指でズボンと下着を下ろした。
「お尻をよく見せて」
紫鳴は兄に背を向け手すりをつかみお尻を突き出す。
「そう、よくできたな」
そう言って持っているリモコンのつまみをMAXへ近づける。
「はああ」
いきなりの大きな刺激に、白い綺麗な身体が反る。
ぼたぼたとコンクリートの上に精液が落ちる。
「もうイッタの?早いね、もう一度イッテよ」
と、お尻の中の刺激を一番大きく操作する。
「うっあっああっ」
痛いくらいにお尻の中をかき回されて、足の付け根を痙攣させながら二度目の射精をする。もう、身体の感覚があまりない。
すると突然お尻のものを抜かれて、変わりに沙蹴のものを何の準備もなしに入れ込む。
「かはっ、くうぅ」
そのまま肩をつかまれ顔を向かされる。
「紫鳴、なんてかわいいんだ」
沙蹴は、頬を顔にすり寄せ、頭を何度もなでる。
唇、目の上、額、たくさん唇を落としていく。
「ごめんよ、いじめてしまったね」
「にい…さま」
本当は怖かった。
初めての体験、慣れない学校。
思い返して涙がこぼれる。
沙蹴はそれを舐めとるようにキスをした。
「かわいい紫鳴、このお尻におもちゃでなく、私のを入れたくてしかたがなかったよ」
根元まで打ち込んで、内側を擦るようにストロークを繰り返す。
「はあぁん、ああっ」
紫鳴の身体は、なくなってしまった詮を求めるように、兄のものを嬉しそうにくわえ込んでいった。
「もっと、もっとしてっ。いっぱい擦って!」
秋空の下、甘い声が響く。