1 無名さん

フリー

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92 無名さん
はるみね新規はほしせの誰なん
93 無名さん
こいつ……。(しばらくの思案ののち繰り出されたのは実に抜け目のない方法。つい先刻二度目の転倒を免れた身とは思えない、そのあからさまに女性らしさを押し出した仕草に理不尽ながら言葉が詰まる。常ならば何のこれしき溜め息一つで去なすというのに、こうしたあざとい仕草すら可愛らしく見えてしまうとはこちらも一体何事か。腕に絡んだ手を振り解く訳にも行かず、上向き気味の瞳を恨みがましく見下ろす顔は仄かに熱っぽいかもしれない。その上ぐっと肩だか腰だかを抱きたい衝動を抑え指先が不自然に蠢いていることになど、彼女はきっと気が付かないままだろう。はあ、とそこで大きく吐いた息はとにかく邪念を払うためのもの。恐らくそんな己の心境すら楽しんでいるに違いない確信犯にこれ以上踊らされてなるものか。掴まれていない方の手をおもむろに頭頂部へぽんと置いた後、彼女が何かを発する前に痛くない程度の力でぐりぐりと丸い頭を掴んでしまおう。非難を浴びるは百も承知、けれど動揺を悟られまいとこちらも苦肉の策である。その時溜め息と同時に反らした視線の先、足元がしっかりと逆ハの字を描いているのを見るなり矛先を変えようと試みれども依然棒読み、優しく撫でる手に変えたところでそう都合よく事は運ぶだろうか)その手には、乗らねえよ。どこで覚えて来たんだそんなの……あー今のそれ。正しい立ち方。教えてねーのにえらいえらい、そのままゆっくり歩いてみな。
94 無名さん

わーやだちょっと、ぼ、暴力反対。セクハラ教官!もう、髪がほつれ……本当?(柄にもない真似でもたまにはやってみるものだ。大仰に吐かれた溜息が呆れや怒りからきたものでないことは、こちらを見下ろす顔色を窺えば一目瞭然。微かにではあるが見て取れるくらいに赤みが差した頬に味を占め、追撃のため面白半分に口を開きかける。しかしそこは一筋縄でいかない相手、頭を鷲掴みにされてしまうと無理して作った表情や態度は一瞬で崩れ去り、抵抗しないではいられない。抵抗とは言ってもここは氷上、逃げるに逃げられず講じられる手段といえば喚きながら頭を左右に振ることくらいなのだけれど。ツボを押されるような刺激から解放されるや飛び出す文句は褒め言葉で封じられ、ここまでくるともうすっかり彼のペースである。何しろあからさまな世辞であろうと賛辞には滅法弱い性質、どこか得意げな表情で足元と相手の顔とを交互に見遣り、練習に戻る頃には乱れた髪のことなど完全に頭の中から消え失せている。手摺り代わりの腕から左手だけを離しバランスを取りながら促されるまま一歩二歩、最初は小刻みに進む亀並みの歩みでも慣れていくにつれて歩幅も大きくなっていく筈。それでもたまに体が前のめりになるのは下を向きっぱなしの目線が原因か。足の動きに集中するあまり、すぐ横を猛スピードで滑っていく少年らに驚き大きく崩れる体勢。一度目の転倒とは打って変わり、今度は助けを求めるように腕を掴んだ手に強く力を込め)はーい、滑るんじゃなくて歩くんですね。離さないでくださいよ。――わっ…!
95 無名さん
まゆらばんぶーのよさがわからん
96 無名さん
わーやだちょっと、ぼ、暴力反対。セクハラ教官!もう、髪がほつれ……本当?(柄にもない真似でもたまにはやってみるものだ。大仰に吐かれた溜息が呆れや怒りからきたものでないことは、こちらを見下ろす顔色を窺えば一目瞭然。微かにではあるが見て取れるくらいに赤みが差した頬に味を占め、追撃のため面白半分に口を開きかける。しかしそこは一筋縄でいかない相手、頭を鷲掴みにされてしまうと無理して作った表情や態度は一瞬で崩れ去り、抵抗しないではいられない。抵抗とは言ってもここは氷上、逃げるに逃げられず講じられる手段といえば喚きながら頭を左右に振ることくらいなのだけれど。ツボを押されるような刺激から解放されるや飛び出す文句は褒め言葉で封じられ、ここまでくるともうすっかり彼のペースである。何しろあからさまな世辞であろうと賛辞には滅法弱い性質、どこか得意げな表情で足元と相手の顔とを交互に見遣り、練習に戻る頃には乱れた髪のことなど完全に頭の中から消え失せている。手摺り代わりの腕から左手だけを離しバランスを取りながら促されるまま一歩二歩、最初は小刻みに進む亀並みの歩みでも慣れていくにつれて歩幅も大きくなっていく筈。それでもたまに体が前のめりになるのは下を向きっぱなしの目線が原因か。足の動きに集中するあまり、すぐ横を猛スピードで滑っていく少年らに驚き大きく崩れる体勢。一度目の転倒とは打って変わり、今度は助けを求めるように腕を掴んだ手に強く力を込め)はーい、滑るんじゃなくて歩くんですね。離さないでくださいよ。――わっ…!
97 無名さん
成海しいたけはすやた
98 無名さん

わーやだちょっと、ぼ、暴力反対。セクハラ教官!もう、髪がほつれ……本当?(柄にもない真似でもたまにはやってみるものだ。大仰に吐かれた溜息が呆れや怒りからきたものでないことは、こちらを見下ろす顔色を窺えば一目瞭然。微かにではあるが見て取れるくらいに赤みが差した頬に味を占め、追撃のため面白半分に口を開きかける。しかしそこは一筋縄でいかない相手、頭を鷲掴みにされてしまうと無理して作った表情や態度は一瞬で崩れ去り、抵抗しないではいられない。抵抗とは言ってもここは氷上、逃げるに逃げられず講じられる手段といえば喚きながら頭を左右に振ることくらいなのだけれど。ツボを押されるような刺激から解放されるや飛び出す文句は褒め言葉で封じられ、ここまでくるともうすっかり彼のペースである。何しろあからさまな世辞であろうと賛辞には滅法弱い性質、どこか得意げな表情で足元と相手の顔とを交互に見遣り、練習に戻る頃には乱れた髪のことなど完全に頭の中から消え失せている。手摺り代わりの腕から左手だけを離しバランスを取りながら促されるまま一歩二歩、最初は小刻みに進む亀並みの歩みでも慣れていくにつれて歩幅も大きくなっていく筈。それでもたまに体が前のめりになるのは下を向きっぱなしの目線が原因か。足の動きに集中するあまり、すぐ横を猛スピードで滑っていく少年らに驚き大きく崩れる体勢。一度目の転倒とは打って変わり、今度は助けを求めるように腕を掴んだ手に強く力を込め)はーい、滑るんじゃなくて歩くんですね。離さないでくださいよ。――わっ…!
99 無名さん
こいつ……。(しばらくの思案ののち繰り出されたのは実に抜け目のない方法。つい先刻二度目の転倒を免れた身とは思えない、そのあからさまに女性らしさを押し出した仕草に理不尽ながら言葉が詰まる。常ならば何のこれしき溜め息一つで去なすというのに、こうしたあざとい仕草すら可愛らしく見えてしまうとはこちらも一体何事か。腕に絡んだ手を振り解く訳にも行かず、上向き気味の瞳を恨みがましく見下ろす顔は仄かに熱っぽいかもしれない。その上ぐっと肩だか腰だかを抱きたい衝動を抑え指先が不自然に蠢いていることになど、彼女はきっと気が付かないままだろう。はあ、とそこで大きく吐いた息はとにかく邪念を払うためのもの。恐らくそんな己の心境すら楽しんでいるに違いない確信犯にこれ以上踊らされてなるものか。掴まれていない方の手をおもむろに頭頂部へぽんと置いた後、彼女が何かを発する前に痛くない程度の力でぐりぐりと丸い頭を掴んでしまおう。非難を浴びるは百も承知、けれど動揺を悟られまいとこちらも苦肉の策である。その時溜め息と同時に反らした視線の先、足元がしっかりと逆ハの字を描いているのを見るなり矛先を変えようと試みれども依然棒読み、優しく撫でる手に変えたところでそう都合よく事は運ぶだろうか)その手には、乗らねえよ。どこで覚えて来たんだそんなの……あー今のそれ。正しい立ち方。教えてねーのにえらいえらい、そのままゆっくり歩いてみな。
100 無名さん

わーやだちょっと、ぼ、暴力反対。セクハラ教官!もう、髪がほつれ……本当?(柄にもない真似でもたまにはやってみるものだ。大仰に吐かれた溜息が呆れや怒りからきたものでないことは、こちらを見下ろす顔色を窺えば一目瞭然。微かにではあるが見て取れるくらいに赤みが差した頬に味を占め、追撃のため面白半分に口を開きかける。しかしそこは一筋縄でいかない相手、頭を鷲掴みにされてしまうと無理して作った表情や態度は一瞬で崩れ去り、抵抗しないではいられない。抵抗とは言ってもここは氷上、逃げるに逃げられず講じられる手段といえば喚きながら頭を左右に振ることくらいなのだけれど。ツボを押されるような刺激から解放されるや飛び出す文句は褒め言葉で封じられ、ここまでくるともうすっかり彼のペースである。何しろあからさまな世辞であろうと賛辞には滅法弱い性質、どこか得意げな表情で足元と相手の顔とを交互に見遣り、練習に戻る頃には乱れた髪のことなど完全に頭の中から消え失せている。手摺り代わりの腕から左手だけを離しバランスを取りながら促されるまま一歩二歩、最初は小刻みに進む亀並みの歩みでも慣れていくにつれて歩幅も大きくなっていく筈。それでもたまに体が前のめりになるのは下を向きっぱなしの目線が原因か。足の動きに集中するあまり、すぐ横を猛スピードで滑っていく少年らに驚き大きく崩れる体勢。一度目の転倒とは打って変わり、今度は助けを求めるように腕を掴んだ手に強く力を込め)はーい、滑るんじゃなくて歩くんですね。離さないでくださいよ。――わっ…!