1 無名さん

ピースサインあにや

お、来たか。…へへっ、気にすんなよ。何にしろ先ずは飯だ、飯!(次々と人が入って行く参道を前に胸を躍らせていた時に何かが背中を叩く感触を受け止め、両腕を降ろしながら後方へと振り返ると待ち合わせの約束を交わした相手の姿を視界に捉える。(あにや視点 ※主語なし)己の物は対称的である(?)涼しげな色合いの浴衣姿を一瞥し、大して待たされてはいない事を伝えた所で早速向かう為に踵を返し、相手と足並みを揃える形で賑やかな参道の方向に歩を進めて。(あにや視点)端末に送られたリストに挑むより、先ずは食べ物を胃に収めて今後の為に備えようと飲食の屋台を中心に見て回っていく。(あにや視点)そうしている内に食欲を煽る香りが周囲に漂い始め、(第三者視点)その中でも特に強いソースの匂いに釣られ相棒の同行を促しては焼きそばの屋台へと足を運んで。(あにや視点)熱々の鉄板の上で麺と具材を豪快に炒める推定40代前後の男の店員に声を掛け、ピースサインと共に相手の分の注文も済ませてしまい。(あにや視点)出来立ての焼きそばを容器に移す間の時間を利用して信玄袋の中を漁り、財布から取り出した500円玉をそれらが纏められたビニール袋と交換して受け取った後、現在立ち寄っている店の看板に貼られた"ステッカー"の存在に気付かずその場から立ち去ろうと(あにや視点))最初はあれにしよーぜ。おっちゃん、焼きそば二つ!…500円な、あったあった。