38 ヲチャにイライラする辻ョルノ
(太陽の熱が痛い程に降り注ぎ、気温が30℃を超える昼前はノースリーブのシャツにショートパンツを合わせた姿にも関わらず生命の危機だと言っても差し支えないほどの暑気を感じるが、普段よりもゆっくりとした足取りになりつつもなんとか教室からグラウンド内の広い倉庫へと辿り着いた。常ならば乗り気にならない夏休み前日の大掃除も大好きな運動器具が揃う倉庫担当の一人となれば問題にもならない様子、とは言え上方を仰ぎ見れば棚に収納されているボールカゴ近くの隙間には目に見えるほど埃が溜まっていることを確認し、掃除しがいのありそうな様子に溜め息を一つ。与えられた時間は授業終了までの1時間、「よし、」と一度大きく伸びをしてからまずは棚の清掃をするためボール入りのカゴへと手を伸ばし、力任せに引っ張り出そうとしたのだが。想像以上の重さに支えきれないままよろめき転倒、瞬く間に倉庫の床いっぱいに広がっていくボール達には自業自得と言えど怒りの視線を。すぐに立ち上がったあと感情に任せて倉庫の壁を蹴っ飛ばした事により、立て掛けてあったモップ達が順々に倒れていく姿を目に映す表情からは、今日一番の苛立ちを感じ取れるだろう/↑)