12 無名さん

あたし、あんたに話したい事がたくさんあるのよ。あのね、あんたが好きだって言ってたあのミュージシャンのあの曲、あたし頑張って覚えたの。白雪があの曲を歌った時に、少しでも一緒に歌えたらって思って。

どうしてかしら。クラスも寮も違って、いつだってあんたは傍に居ないのに、いつだってあたしの頭から離れないの。綺麗な髪も、瞳も、…特にキラキラした可愛い笑顔がね。…どうして頭から離れてくれないの?って、ずっと悩んでたんだけど…。

分かったの、これが恋煩いなんだって。あんたはとても優しいから、あたし以外にもあなたを想ってる人がいるのかな…とか、考えるだけでイライラしたりして。でもね、あなたの事をただ目で追うだけの毎日はもうやめたいの。…つまり、白雪のことが好きってことなのよ。あなたが今ここで首を縦に振ってくれたら、あたしはもう2度と運動が出来なくなってもいい。おやつもフルーツも我慢する。あたしが持っている深緑色の物は全部捨ててもいいわ。側にいてほしいのはあなただけなの。ほんとに好きだよ。


終わり。