一緒にスーパーで買い物したユウへ

…何か、不意に思い出したんさ。実は見付かるなんて全然期待してなかったり。

終わりを迎えてもうどれだけ経つのかも覚えて無い。手を繋いで買い物した、一緒にご飯食べた、でも何を買ったのかも何を食べたのかも覚えて無い。あの頃は、絶対に忘れないと思ったのに…時の流れは恐ろしいもんさ。

まだこの世界に居るの?元気にしてる?…幸せにしてくれる人は、見付かった?俺はユウを傷付けただけだったね。まだこの世界に来たばっかで、右も左も良く分からなかった俺が束の間手に入れた幸運がユウだった。ありがとう、それだけを言いたかったんさ。

ユウがくれた、人を本気で愛する心。もう無くなっちゃったと思ってたけど、それが今の俺を支えてるって漸く気付いたから。

本当に、ありがとう。

もし、見付けてくれて、一度だけでも言葉をくれるなら…返しそびれた合鍵を返すよ。俺が持ってていいもんじゃないもんな。