古泉一樹に宛てる

まだこの世界にいるかどうかも怪しいが、他に手段が思い付かん。奇跡とやらに賭けさせてもらうぜ。

俺の探している古泉なら、こんな事象に心当たりがあるはず。

6月23日
honeymoonの掲示板
古泉からは指輪代わりのストラップ
俺からは万年カレンダー
揃いのイルカのストラップ
猫が嫁

こんだけ条件出せば分かるだろ。
こんなこと言うとまたズルいって怒られるかもしれんが、俺は今日までお前のことを忘れた日はないよ。
あれからどうしてるんだろうな。新しいスタートは切れているんだろうか。

俺の方は変わり映えのない人生をのらりくらりとやっていたんだが、先日携帯をなくしちまってだな、お前のアドレスも掲示板のurlもなくなって連絡手段が断たれたってわけだ。都合よくお前から連絡が入ることもないだろうし、あとは待つより他にないがどうかお前が、これに気付いてくれますように。

あなたの誕生日にお祝いの一報を送ろうか送るまいか迷っているうちにいつの間にか8月になってしまい、このまま鬱々としているよりは思い切って送信してしまえ、と腹を括ってお便りを出したところ、ホストエラーでメールが戻ってきてしまいました。

僕の顔を見たくないとおっしゃるのならば仕方ありません。
けれど僕にとってあなたは唯一無二の存在。このままお別れするのは嫌なんです。自分勝手にもほどがありますが。

一縷の望みをかけて、ここへメッセージを残します。
サブアドレスも本アドレスも変わっていません。いつでも連絡をください。
またお話出来ることを祈って。


乗り遅れたにも程がありますが、お誕生日おめでとうございます。一つ歳を重ねたあなたの一年が輝かしいものであらんことを。

メールは送ってみたんだが、その後音沙汰がないから念のために此処へも書き記しておく。

俺はあれからアドレスを変えたこともないし、お前を拒絶する謂われもない。
まさか、こんな俺の誕生日を祝ってくれる気持ちが残っているなんてな。

お前、いい相手が見つかったんじゃなかったか？後にも先にもこんなに深く繋がっちまっているのは俺にとってもお前だけだと思う。最後のメールを返信しなかったのは、お前が辛そうだったからだぜ古泉。
俺の言動はお前を傷付けるばかりで、せっかく前へ進もうとしているお前を、引き留めて何のメリットも産みやしねぇ。

それならいっそ潔くフェードアウトしてやるのが人情だと思ったのさ。
俺にとってもお前は一生大切な家族みたいな存在だ。そこは変わらん。
だからこそ、幸せになってくれ。それが俺の望みだ。