アニメ/マンガ 短期募集
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1 ラ/イ/カ(ミ/ス/勿)春になったら、(柵越有)私は消える。だが後悔も恐怖もない。それが私の運命であり、千/夜/子のための約束だからだ。しかし近頃、とある青年と関わるようになってから、この世の楽しい出来事を色々知るようになった。素直に、惜しいと思った。このまま世界に別れを告げるのは。私には千/夜/子だけだったのにな。
暦の上ではもう春になったという。だが、蕾は膨らみ池の氷が融けていく、その移ろいはまだ暫く続くようだ。そうだな――短い分にはいつでも。そしてどれほど長くとも、3月の最期の日まで。
私と時間を過ごしてはもらえないかな。
君に求めるものはさほど多くない。この場所の決まり事を守れていて、私の存在を多少なりとも認知している。それだけだ。
まず足湯にでも浸かりながら会話に興じるか、描写なるもので自らの足を動かして新たな景色を見に行くか。その辺りや文章の長短は、君の希望にも寄るだろうし是非聞かせてほしい。
そして、実/写/版か。それについての知識も問わない。私は病院のテレビや書棚を使って、原作の単行本と実/写については最新のものまで記憶している。それらを語るのも話は弾むだろうが、まあそれも君次第だ。特に気にすることもない。ああ、そうそう……自/省/録を使っての会話も今は控える。心配なく。
私は私の姿でしか物を語れない。もちろん千/夜/子に代わることはないし、余程の事情がない限りは原作の姿となる。だから話しやすさという意味では、彼――久/能/整くんが最も適役だろうな。私も彼には会いたいよ。あるいは犬/童とかいう男をはじめ、彼の長くも興味深い話に登場する面々か。
ただ、この際贅沢は言わない。君がどういう立場であろうと、どういう過去と現在を生きているのであろうと、私に興味を抱いたのなら会いに来るといい。拒みはしない。たとえこの現代日本とは程遠い世界の住人であってもな。私だってある意味では、実在も不確かな、幻のような存在だろう。
ただし私の境遇上、どのような他者であっても知識はそう多くないと思ってくれていい。知り合ったからには院内の伝手や利用できる物で調べはするが……どちらかといえば、君自身の言葉でそのひととなりを語ってもほしいかな。自分の言葉をもつのは、大切なことだろう?
さて……伝えるべきはここまでか。長くなってすまなかった。打てば響くような端的なやり取りも好きだが、元々の望みすら薄いのだろう。私も馬鹿じゃないから、それくらいは悟る。
しかし、残り僅かな日々だ。何かを夢みるのも悪い気分じゃないよ。目の前に現れた君に向かって、私の心はシャッターを切る。現像はされなくとも、その像は私というカメラに残り続けるんだ。永遠にな。
そういう私の招待を受けようという物好きにして有難い人間は、君なりの言葉での自己紹介と、したいこととされたくないことでも書いて、手紙を寄越してくれ。人を選ぶ内容だろうし、尋ね事や相談だけでも構わない。その意図は可能な限り尊重すると約束しよう。
春までとはいえ、未だ寒い日が続く。温かくして来るといい。
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