その他ジャンル 一日限定

[ここに投稿][]
1 ベ/ル/ゼ/ブ/ブ
満たされない。
 

  なあ、お前を喰ってもいいか?


『口輪に指が掛かる。長い爪がもどかしげに赤い革と、黒い肌を掻きむしる。だらりと垂れた唾液と見開いた縦長の瞳孔が、彼の狂気を物語っていた。』


——そこまで読んで、その本を放り投げた。

記憶にない。恐らく——否、ほぼ確実に、これは創作の類なのだろう。確かに俺は常に空腹に蝕まれていて、ことあるごとに腹の虫が鳴く。しかし俺の手では外せないよう編まれた呪具の口輪が、理性なき暴食を戒めてくれる。満たされずとも、俺は常に理性のしもべとして生きている。ゆえに召喚されてすぐさま食事を欲することもなければ、人間を食べ物として見ることもない。
……かつて俺を召喚した誰かが、見目だけで創作したものだろう。放り投げたばかりの本を摘み上げ、数ページ破る。細く捻って口輪の隙間から押し込み、口内へ。紙の質は悪くない。なめらかで適度なハリがあり、インクの吸い付きがいいのか噛み締める度にインクの香りがする。ただ、このインクの香りが今の気分ではない。今はもっと爽やかな森林のような香りが——

『こつ、こつ、こつ。』

ノックの音に咀嚼を止める。開いた扉から、お前の姿が見えた。


俺の探し人は今し方扉を開けた者。同族でも、俺に仕える人間や下級悪魔でも、異種族でも構わない。唯一の約束は敵対心を持たぬ者であること。属性、性別、見目は問わない。ただし女子供、ご老体、小柄な者と性的接触はしない。……否、男であっても挿入はあまり考えていない、とも言うべきか。スキンシップは好ましい、しかし動くと腹が減るだろう?性欲より食欲の方が強いんだ。俺は暴食≠セからな。まあ、勝手に跨る分には好きにさせるが。

ベ/ル/ゼ/ブ/ブ——それが俺の呼び名だ。親しい悪魔からはブブと呼ばれている。
短く切った赤髪、縦長の瞳孔、切れ長の金眼、黒い肌に黒い唇、それと尖った歯。女性体と男性体があるが、男性体でいることが多い。どちらの性別でも2mを超えるし、筋肉で分厚い身体をしている。頭には羊のような巻き角。恐らく人間の目で見て三十代から四十代程度に見えるだろう。実際は……千は軽く超えていたが覚えていない。常に空腹で有機物から無機物まで何でも食べる。……が、それを防ぐため赤い革製の口輪を嵌めている。これは俺自身では外せないため、無節操に何でも喰うことはない。食事の際は従者が外してくれる。
かつては裸形だったが、今は一応ガウンを着るようにしている。人前に出る時はもう少しフォーマルな服を着るが、今はガウン一枚だ。


さあ、俺の話は終わった。次はお前の番だ。
強いて何を書けとは言わない。好きに綴った手紙を届けるといい。お前がどのような者なのか、何を希んでいるのか、自らの言葉で表現してみせてくれ。


【規約遵守/終了の合図は就寝の挨拶、途中打ち切りも挨拶希望(初回で希望があれば無言放置でも可)/ぽい使用/描写だけで最低150字、最長500字程度で楽しめる/ご都合主義、過去話の創造が許容出来る/男性に限り裏行為可、左右不問/裏を含む場合、描写内外での♡や台詞での露骨表現が可能(優遇)】

[記事の有効期限(〇月〇日迄/削除する迄/〆切る迄/本文参照/等)]
〆か削除する迄

[削除]

[返信][最新][]
[一覧に戻る]
[ホームに戻る]
[新着レスを通知]