司馬懿
(降りしきる雨音、木の葉の唄う城に馬の嘶きが一つ。雫で濡れた衣を払いつつ)此処に立ち寄るのも久しぶりか。…皆、変わりはないか?(見慣れた回廊を懐かしむように進み、戸を開けば親しんだ広間が目の前に広がって)…やはり、この部屋は気が休まるな。そう感じているのが私だけでなく、彼らにとっても…そうなら良いのだが。(ふっと金魚に語りかけるように言葉を紡ぎ、僅かに目を伏せ。たっぷり間を挟んだ後窓辺に移れば紺青の空見上げ)生憎の雨で身体は冷えるが…心までは寒くない。今でも私はあの者達に力を貰っているのだな。…感謝しておこう。(目元細めて呟けば、一筋の流星が煌めいて)また会える…そうであろう?(己に誓うように、小さく、しかしはっきりとした声で口にすれば一つ頷いて)

ん、雨が上がったか。…頃合いだな。(乾いた衣に落ちる一つの雫。踵を返せば響く靴音も次第に遠のいて。穏やかさを取り戻した夜の森には突如高笑いが木霊した…)↑↓
司馬懿
待たせて悪かったな。(覗き込めば応えるようにすいすいと泳ぐ金魚たち)お前たちは冬でも凍えぬのか?全く…大したものよ(かじかむ掌で水を替えつつ、鉢を磨きながら感嘆の声をあげて。水草を入れればふっと笑みを零し)よし…水も綺麗になったな。今年も色々とあったが、無事に過ごせて何よりだ(言いつつ餌をやり、ふうと穏やかに吐息を落とせば揺らめく水面を見つめ。暫く物思いに耽って。すくっと背筋伸ばして立ち上がると炬燵の方へ。その上にそっと蜜柑を乗せ)うむ、やはり炬燵は蜜柑だな。…ふ、炬燵を皆で設置したのが懐かしいものだ。(目を閉じればかつての喧騒が聞こえるようで、愛おしむような、寂しさも滲む笑みを浮かべれば頭を振って)…さて、最後は私か。湯浴みして身体を休めるとするか。(両手広げて己の姿見ると眉下げて笑い、静かに部屋を後にし/今年も大変お世話になりました。大分凍える気温が続いておりますので、お体をどうかご自愛くださいませ!拙い文で失礼致しました、皆さま良いお年を!)↓
司馬懿
(パタパタと窓や棚にハタキを滑らせれば、光を纏って舞い上がる埃に時折咳ばらいをしつつも黙々と)…割らぬよう慎重に、慎重に…(貯蔵庫に陳列された陶器や瓶類を額にうっすら汗滲ませつつ移動させてふさふさを這わせつつ)もうじきお前の番だ。あと少し待っていてくれ(背中越しに金魚に声を掛けて)よし…綺麗になったな。(満足げに顎に手を添え頷けば、取り出したのは真新しい老酒と華佗膏。肉まん、骨付き肉も氷玉と共にそっと)どちらも小ぶりで掌に収まるそれを並べてゆき)ふむ。これだけあれば、足りるか?(横にお持ち帰り用の紙袋を置けば嬉しそうに笑み浮かべ)
司馬懿
(閑静な市街地を抜け辺境へ差し掛かれば、見慣れた遠景に目元細めつつ手綱を握る掌を震わせ。ちらと手荷物へ視線を落とせばそれを落とさぬよう抱え直して)すっかり遅くなってしまったな。もう皆寝静まっているだろうか?(城へ辿り着くなり視界の端には慌しく支度に追われる住人達の姿が映り)年の暮れか。時の流れは早いものだな…(まだ明かりの灯る城内では人々が忙しなく年越しの準備を進めており、此方に気づいて手を止めようとする者を掌で制して)ああ、構わぬ…私も支度をしてくる(慣れ親しんだ廊下を渡り、懐かしい香りに安堵の色浮かべつつ扉を開いて)やはり落ち着くな。…と、いかん、気が緩む前に…(荷物を開き、取り出したのはふさふさのハタキを握りしめて)さて、わが策に取り掛かるとしよう。↑
司馬懿
いつの間にか雨も過ぎたようだな。そろそろ発つとしよう(静けさを取り戻し、風音だけが吹き抜ける夜空を窓から見上げればすくっと立ち上がり。居住まいを正して踵を返そうとし――ふと目に止まった例のあれ/笑)
ふむ…備えあれば憂いなしとはこの事だな。これも私の読みだ…(と満足げにかっぱと傘を抱えて広間を後にし。その後はやはり辺りに高笑いが木霊して/大丈夫ですよ、楽しく拝読しました!うきうき/そして私のお返事が拙く申し訳ない;;お忙しい中きて頂いてありがとうございます…お身体を大切になさってくださいね。またです〜)↓
司馬懿
ふっ、中々粋な計らいだな。(嬉しそうに水面見つめると暫くその様子を眺め)…倭国では30年以上も生きる金魚がいるそうだが――お前も長生き出来るようにせねばな(餌を散らしつつ感慨深げに呟き)
私も土産があったな。この雨で濡れていないと良いのだが(懐から幾重にも重ねた包みを取り出せばそれを開いて中身を確認し)良し…変わりはないか。(貯蔵庫の方へ向かえば取り出した桜の塩漬けを小瓶に移して)
司馬懿
確か此処に…(勢いそのままに寝台の下から真新しい布を取り出せば、髪に纏った水滴を拭いつつ机のある方へ戻って)
近頃は蒸し暑くなってきたな。お前も過ごし辛くはないか?(布を体に当てつつ金魚鉢覗き込めば)…ん?これは…。(変化に気付きハッとした表情で。膝を折って覗き込めば、新しいお家に喜んでいる魚達の様子に目元細め/此方こそお久しぶりでございます…!最近暑くなってきましたね…汗だく/そして先ほどの誤字…波でした/陳謝;;)
司馬懿
私だ。――誰かいないのか?(強い雨音が響く中、慌ただしく城内へ駆け込むなり声を張って。何事かと灯り片手に飛び出してきた者に軽く手を上げ)通り雨に降られてな。近頃は気温の並みが激しいが変わりはないか?(差し出された灯り受け取ると広間へ向かい、鼻孔を掠める慣れた匂いに安堵した表情を浮かべ)↑