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落葉亭


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  Name chiharu

平成30年 3月

春夕焼追ひかけ都庁まで歩く

囀りや森の扉を開け放ち

雛飾る母となれたること嬉し

春の月ワイングラスの向ふ側

春雨や君と暮らした三十年
2018/4/11
 
 
 

 
  Name chiharu

平成30年 山茶花3月号

早咲きの梅一輪といふ気品

駅ビルの聖樹に人を待ちにけり

診察のドアにもクリスマスリース

(若草集巻頭)
山茶花や泣き出しさうな空仰ぎ

駅で会ひ駅で別れて日短

うたた寝の猫と毛布を分かち合ふ

(瞳々集)
まつ白なファー柔らかな冬帽子
2018/4/11
 
 
 

 
  Name chiharu

平成30年 ホトトギス3月号

焚火するにも消防署まで電話

セーターの黒一枚は欲しき色

鮟鱇鍋母の手作り味噌届く
2018/4/11
 
 
 

 
  Name chiharu

平成30年 2月

大試験てふ人生の岐路に立つ

淡雪や町に無人の測候所

米寿なる父にもバレンタインチョコ

バレリーナめく赤い靴春兆す

波しぶき被り海苔掻く男かな

水菜畑富士の湧水命とし

早春の星となりたる師を偲ぶ

師の星を一つ加へて春銀河

水菜畑富士の湧水命とし

春寒や刻の止まりし掛け時計

春の風邪家事に休みの無かりけり

油断せしまたぶり返す春の風邪

春の風邪ドロップ一缶舐め尽くす

春の風邪眠くなくとも出る欠伸

恋猫の恋とは事故のやうなもの
2018/4/11
 
 
 

 
  Name chiharu

平成30年 山茶花2月号

セーターの黒一枚は欲しき色

休みつつ上る石段坂紅葉

一日にひとつと決めて蜜柑喰ぶ

法螺の音の響く境内冬紅葉
2018/3/6
 
 
 

 
  Name chiharu

平成30年 ホトトギス2月号

秋晴や余白のやうな旅時間

爽やかや癌を克服して十年

テレビ点けまづ台風のニュース見る
2018/3/6
 
 
 

 
  Name chiharu

平成30年 1月

早咲の梅一輪といふ気品

星冴ゆる湖面に映る逆さ富士

初暦子の婚礼の日を印す

初泣きすフランダースの犬を観て

出初め式大漁旗の翻る

初籤神の言葉を授かりて

願ぎ事はいつも同じや初詣

参拝の日の初雪となりにけり

茹で上げし七草加へ離乳食

おまじなひみたく七草唱へけり

全校生徒二十人歌留多会

春を待つ失ふものは何もなし

断崖に深く根を張る水仙花

動かざる寒鯉のみな同じ向き

原点に戻りしこころ初稽古

悴みて始発電車を待ちにけり

病さへ力に変へて春を待つ

江ノ島の黒きポストに賀状出す

雪原に続くなだらかなる起伏

灯台を巡らせて咲く野水仙

寒鯉や納屋に仕舞ひしままの餌

あかがねの冬満月を照らす闇

ありつたけ重ね着をして外出す

寒卵尖りし方を上に置く

未来より流るる時間春を待つ

雲に乗るスノーボードの技光る

スケートを極めし人に孤独あり

伊豆の雪傘差すほどのこともなく

降る雪に鉛筆の字の濃くなりて

マスクせし女医の睫毛の長きこと
2018/3/6