落葉亭
過去ログ117
2019/10/12 16:28
▼haru令和1年 山茶花9月号
日の匂ひ包みしタオル梅雨晴間
市議会の色とりどりのアロハシャツ
検診の結果良好ビール酌む
梅雨寒やゆつくり溶かす舌下錠
民宿の窓に夜干しの水着かな
汗光る心ひとつとなる球児
2019/10/12
▼haru令和1年 9月
トラックに寿の文字小鳥来る
廃線の旅の鉄路の彼岸花
金の風銀の風吹く芒原
清正の掘りたる井戸の水澄めり
月の夜の酒は伏見の生一本
コスモスやカウベルの鳴るログハウス
コスモスや光とそよ風のダンス
長き夜の既読のつかぬメールかな
コンビニの棚は空つぽ台風来
台風来避難勧告発令す
台風来雨戸無き家増えにけり
店戸板はめて台風前の夜
2019/10/12
▼haru令和1年 山茶花9月号
髪型の決まらぬままに梅雨深し
梅雨籠本の世界に没頭し
草刈にボーイスカウト集ひけり
紫陽花や眼下に由比ヶ浜光り
どくだみの匂ふ空家の又一つ
2019/10/12
▼haru令和1年 8月
曼陀羅は家宝のひとつ盆用意
宅配で旅荷の届く子の帰省
かなかなや木立の中の芭蕉句碑
八月や祈ることしか出来なくて
花火の夜駅に臨時のバスが着く
八月の目を閉ぢて聴くレクイエム
退職の花束を下げ花火の夜
イグアナを描く八月十五日
カフェラテの泡やはらかき涼新た
2019/10/12
▼haru令和1年 山茶花8月号
父母の遺せし薔薇のまくれなゐ
定年の夫のスーツ更衣
駅前に床屋たばこ屋夏燕
湯の宿の廻る回廊竹落葉
2019/10/12