落葉亭

過去ログ67 2016/1/18 15:00

▼chiharu
ホトトギス、平成28年1月

八月ももう終はりかと夫の言ふ

少しづつ雨が運んで来たる秋

寄せ返す波が教へてくれる秋
2016/1/18

▼chiharu
平成27年、12月

乗り損ねたるバスを待つ寒さかな

診察のドアにもクリスマスリース

着膨れて覗く天体望遠鏡

予定表見直してゐる十二月

生きてきた証のやうな古日記

触れ合へる梟のゐる喫茶店

梟の小物集めを趣味として

十二月八日真珠の指輪買ふ

初雪やサンタクロースより手紙

残業のビルの明かりも聖夜の灯

玩具箱みたいなクリスマスの街

聖夜来る銀の指輪とオルゴール

合いの手の阿吽の呼吸餅を搗く

全身を粉にまみれて餅をのす
2016/1/18

▼chiharu
山茶花、平成27年12月号

ゑのこ草ここは昔の通学路

小鳥来るロッジの窓は森へ向き

コスモスを揺らしトロッコ列車かな
2016/1/18

▼chiharu
ホトトギス、平成27年12月号

スパイスを効かせしカレー暑気払ふ

掲げたる校旗の重み炎天下

帰省する車窓に富士の見えて来し
2016/1/18

▼chiharu
平成27年11月

例へばで始まる話蜜柑剥く

蜜柑もぐ眼下に青き伊豆の海

だんだんと土に還つてゆく落葉

落葉掃く法要の日の父の墓

眼前の紅葉水面の冬もみぢ

街路樹に電飾灯り冬来る

青汁に欠かすことなきセロリかな

冬ぬくし双子のパンダ生まれたよ

信号を待つ交差点銀杏散る

木の葉髪学びに齢なかりけり

その先は冬季閉鎖となる道路

海側の部屋に一泊冬花火
2016/1/18

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