落葉亭

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haru
令和5年 山茶花11月号

父の顔知らずに父の墓洗ふ

坐禅組む静寂八月十五日

フィナーレを待つ波音や揚花火

夕虹やベンチに傘の忘れ物
haru
令和5年 山茶花10月号

月下美人開き始むと母を呼ぶ

翡翠やマングローブの森を漕ぐ

やはらかなランプの灯り登山小屋
haru
令和5年 山茶花9月号

蛇の衣持つて帰るをためらはず

散策のどこかに栗の花匂ふ

梔子の蕾いづれも渦を巻き

古民家の長き縁側梅を干す

江ノ電を入れて紫陽花撮りにけり
(三村純也主宰の句評あり)
haru
令和5年 山茶花8月号

蕎麦啜り外は卯の花腐しかな

溝浚へして早起きの日曜日

木苺を数へつつ乗せパンケーキ

旬のもの旬に味はひ豆御飯
haru
令和5年 花鳥諷詠8月号

母の日や母の産着を譲り受け
(飯川三無 選)