haru
令和2年 山茶花4月号
元日の朝まつさらなシャツを着る
源泉の湯気たくましき寒玉子
冬ぬくし撫でれば喉を鳴らす猫
葉牡丹のプランター置き駐在所
元日の朝まつさらなシャツを着る
源泉の湯気たくましき寒玉子
冬ぬくし撫でれば喉を鳴らす猫
葉牡丹のプランター置き駐在所
haru
令和2年 4月
ヒヤシンス窓辺で手紙読む女
春昼や猫の背伸びのヨガポーズ
教会の長椅子硬く春の昼
春愁や星占いを立ち読みす
ふらここや廃校決まりたる母校
黄色い花を飾りたくなれば春
朧夜や路上ライブのサクソフォン
山椿日野俊基の処刑の地
朧夜の竜宮城のやうな駅
春昼や鳶の狙ひしハムサンド
目の前の桜水面のさくらかな
駅弁の箸の短し花の昼
春愁といふ片恋に似たるもの
囀の森の天空カフェテラス
まだ夢の続きをみたく朝寝かな
大朝寝枕を替へしだけのこと
沈丁や新車の届く日曜日
花の塵回転扉開くたび
花は葉に自宅学習続く日々
ベランダのシンビジウムを供花に切る
風光る空に近づく観覧車
春月や水平線に島一つ
珈琲派紅茶派のゐて春の昼
春昼や珈琲テイクアウトして
さりげなく娘の名と同じエリカ咲く
蟄居して桜隠しとなる都心
もう仕事行きたくないよ蝶休む
啄木忌レジ打つ指をぢつと見る
猫の子を抱く哀愁の喜劇人
春の雨不眠不休のICU
大朝寝しても今日から職がない
復興の町の一本桜かな
春灯や直感で入る焼鳥屋
囀や上下に揺らすティーバッグ
春風や胸ポケットに乗車券
イヤホンに微熱のこもる日永かな
珈琲の豆を挽く音日の永し
春風やふわりと揺るる服を着て
永き日や乗り放題の旅切符
恙無く進むリハビリ花は葉に
チューリップ日直の人水替へる
チューリップ花束にして誕生日
しゃぼん玉母のカレーの匂ふ路地
囀や盲導犬のゐるテラス
鮑喰ぶ伊豆の地酒の添へてあり
ヒヤシンス窓辺で手紙読む女
春昼や猫の背伸びのヨガポーズ
教会の長椅子硬く春の昼
春愁や星占いを立ち読みす
ふらここや廃校決まりたる母校
黄色い花を飾りたくなれば春
朧夜や路上ライブのサクソフォン
山椿日野俊基の処刑の地
朧夜の竜宮城のやうな駅
春昼や鳶の狙ひしハムサンド
目の前の桜水面のさくらかな
駅弁の箸の短し花の昼
春愁といふ片恋に似たるもの
囀の森の天空カフェテラス
まだ夢の続きをみたく朝寝かな
大朝寝枕を替へしだけのこと
沈丁や新車の届く日曜日
花の塵回転扉開くたび
花は葉に自宅学習続く日々
ベランダのシンビジウムを供花に切る
風光る空に近づく観覧車
春月や水平線に島一つ
珈琲派紅茶派のゐて春の昼
春昼や珈琲テイクアウトして
さりげなく娘の名と同じエリカ咲く
蟄居して桜隠しとなる都心
もう仕事行きたくないよ蝶休む
啄木忌レジ打つ指をぢつと見る
猫の子を抱く哀愁の喜劇人
春の雨不眠不休のICU
大朝寝しても今日から職がない
復興の町の一本桜かな
春灯や直感で入る焼鳥屋
囀や上下に揺らすティーバッグ
春風や胸ポケットに乗車券
イヤホンに微熱のこもる日永かな
珈琲の豆を挽く音日の永し
春風やふわりと揺るる服を着て
永き日や乗り放題の旅切符
恙無く進むリハビリ花は葉に
チューリップ日直の人水替へる
チューリップ花束にして誕生日
しゃぼん玉母のカレーの匂ふ路地
囀や盲導犬のゐるテラス
鮑喰ぶ伊豆の地酒の添へてあり
haru
令和2年 山茶花3月号
短日の電車遅延のアナウンス
聖樹はやホテルのエントランスにも
聖夜来て宝石箱のやうな街
病棟の隅にもクリスマスツリー
シャンパンの泡の弾けてクリスマス
短日の電車遅延のアナウンス
聖樹はやホテルのエントランスにも
聖夜来て宝石箱のやうな街
病棟の隅にもクリスマスツリー
シャンパンの泡の弾けてクリスマス
haru
令和2年 3月
アルバムに挟む四つ葉のクローバー
クローバの四つ葉摘むまで帰れない
紅椿光たゆたふ水盤に
海鳥の佇む埠頭春の雨
春兆すバレリーナめく赤い靴
ハムスター埋めてやはらか春の土
手のひらに収まる財布買ひし春
童心に戻りし心土筆摘む
卒業の子に一鉢の桜草
アルバムに挟む四つ葉のクローバー
クローバの四つ葉摘むまで帰れない
紅椿光たゆたふ水盤に
海鳥の佇む埠頭春の雨
春兆すバレリーナめく赤い靴
ハムスター埋めてやはらか春の土
手のひらに収まる財布買ひし春
童心に戻りし心土筆摘む
卒業の子に一鉢の桜草
haru
令和2年 山茶花2月号
袴着の足元軽きスニーカー
単線に待ち時間あり日短
店仕舞ひせし店頭の落葉掃く
紅葉且つ散る男坂女坂
人肌にミルク温め今朝の冬
待つてゐる人なき部屋の寒さかな
袴着の足元軽きスニーカー
単線に待ち時間あり日短
店仕舞ひせし店頭の落葉掃く
紅葉且つ散る男坂女坂
人肌にミルク温め今朝の冬
待つてゐる人なき部屋の寒さかな