haru
令和2年 山茶花7月号
恙無く進むリハビリ花は葉に
永き日や乗り放題の旅切符
春風やふはりと揺るる服を着て
イヤホンに微熱のこもる日永かな
チューリップ花束にして誕生日
囀や上下に揺らすティーバッグ
恙無く進むリハビリ花は葉に
永き日や乗り放題の旅切符
春風やふはりと揺るる服を着て
イヤホンに微熱のこもる日永かな
チューリップ花束にして誕生日
囀や上下に揺らすティーバッグ
haru
令和2年 7月 雑詠
白シャツに玉虫色の貝ボタン
麦酒買ふビニールカーテン越しのレジ
金魚飼ふ野良猫が水飲みに来る
観覧車より噴水の虹の色
麦酒買ふ煙草と競輪新聞と
駄菓子屋に毎日通ふ夏休
汗拭ふ二段ベッドを組み立てて
一家族人数分の扇風機
ラーメンと同じ値段のかき氷
蓋の開かない硝子瓶の辣韮
夕焼や島に灯りのともる頃
約束の駅は西口星迎
懐石の品変はりたる小暑かな
渋団扇いま饅頭の蒸し上がる
巴里祭ベイブリッジ見へし部屋
今日からは一人の暮らし金魚飼ふ
人を待つタワー七月十四日
山車囃子路地といふ路地抜けにけり
曳山車のすれ違ふには狭き路地
習作の月下美人の絵の葉書
日盛やバスを待とうか歩こうか
水槽に広がる海月五千匹
煩悩や無になれるまで海月見て
孔雀草きつき傾斜の花時計
白シャツに玉虫色の貝ボタン
麦酒買ふビニールカーテン越しのレジ
金魚飼ふ野良猫が水飲みに来る
観覧車より噴水の虹の色
麦酒買ふ煙草と競輪新聞と
駄菓子屋に毎日通ふ夏休
汗拭ふ二段ベッドを組み立てて
一家族人数分の扇風機
ラーメンと同じ値段のかき氷
蓋の開かない硝子瓶の辣韮
夕焼や島に灯りのともる頃
約束の駅は西口星迎
懐石の品変はりたる小暑かな
渋団扇いま饅頭の蒸し上がる
巴里祭ベイブリッジ見へし部屋
今日からは一人の暮らし金魚飼ふ
人を待つタワー七月十四日
山車囃子路地といふ路地抜けにけり
曳山車のすれ違ふには狭き路地
習作の月下美人の絵の葉書
日盛やバスを待とうか歩こうか
水槽に広がる海月五千匹
煩悩や無になれるまで海月見て
孔雀草きつき傾斜の花時計
haru
令和2年 山茶花6月号
囀やテラスの窓を開け放ち
卒業の子の制服の寄付をして
春ショール羽根をまとひてゐる如く
聖夜きて宝石箱のやうな街
囀やテラスの窓を開け放ち
卒業の子の制服の寄付をして
春ショール羽根をまとひてゐる如く
聖夜きて宝石箱のやうな街
haru
令和2年 6月
鈴蘭を抱きて挙式会場へ
今跳ねし鯉萍の中に入る
水飛沫鵜匠手綱を捌くたび
鰻屋にテイクアウトの幟立つ
短夜や蛍光色の置時計
青葉風駅より校舎までの坂
ランボオを閉ぢて木陰のハンモック
出来立ての代田に映る八海山
花栗や野菜の無人販売所
執筆の天城の湯宿河鹿鳴く
青葉風順番待ちの滑り台
泡盛のいつものオンザロックかな
何歳になつても虹は見たいもの
水替へてよりガーベラの背筋伸ぶ
海亀や船より祠眺めつつ
江ノ電の横切るお寺濃あぢさゐ
紫陽花の観賞券に人の列
花南天転居の鬼門裏鬼門
玄関にお寺のお札花南天
安眠を約すラベンダーの枕
夏の雲映りしビルの硝子窓
珈琲に添へたるミント夏至の朝
十薬の香をゆかしきと思ふとき
ハイウェイの行く手を阻む夏の霧
昼顔や潮の匂ひの埋立地
蛍飛ぶ光の余韻残しつつ
故郷の湧水甘し蛍飛ぶ
来訪はいつも突然さくらんぼ
青蔦や昔銭湯だつた家
蚤取粉撒いてカレンダーに丸を
鈴蘭を抱きて挙式会場へ
今跳ねし鯉萍の中に入る
水飛沫鵜匠手綱を捌くたび
鰻屋にテイクアウトの幟立つ
短夜や蛍光色の置時計
青葉風駅より校舎までの坂
ランボオを閉ぢて木陰のハンモック
出来立ての代田に映る八海山
花栗や野菜の無人販売所
執筆の天城の湯宿河鹿鳴く
青葉風順番待ちの滑り台
泡盛のいつものオンザロックかな
何歳になつても虹は見たいもの
水替へてよりガーベラの背筋伸ぶ
海亀や船より祠眺めつつ
江ノ電の横切るお寺濃あぢさゐ
紫陽花の観賞券に人の列
花南天転居の鬼門裏鬼門
玄関にお寺のお札花南天
安眠を約すラベンダーの枕
夏の雲映りしビルの硝子窓
珈琲に添へたるミント夏至の朝
十薬の香をゆかしきと思ふとき
ハイウェイの行く手を阻む夏の霧
昼顔や潮の匂ひの埋立地
蛍飛ぶ光の余韻残しつつ
故郷の湧水甘し蛍飛ぶ
来訪はいつも突然さくらんぼ
青蔦や昔銭湯だつた家
蚤取粉撒いてカレンダーに丸を
haru
令和2年 山茶花5月号
父母も兄姉も医師大試験
自転車を押してミモザの花の下
春寒しシネマに一人きりの客
ヒヤシンス窓辺で手紙読む女
春兆すバレリーナめく赤い靴
父母も兄姉も医師大試験
自転車を押してミモザの花の下
春寒しシネマに一人きりの客
ヒヤシンス窓辺で手紙読む女
春兆すバレリーナめく赤い靴