私はすぐに忘れてしまうようだから
そうなってしまわないように今はこうして書くことをしている
思い出せない、失くしてしまった記憶を取り戻すことは出来ないから
中学生になる頃までの記憶があまり残っていない
家でのシーンはほんのいくつかしか浮かばない
家族で食事をしているシーンは1つだけ
その1つは11歳頃の記憶
それ以前の家族とのことをあまり覚えていない
この感覚はどこからやってくるのだろう
意識はちゃんとあるのだけど
でも意識がなんとなく遠退いていくような
ぽっかり空洞が出来たような
現実感が薄れていくような感覚
小さい頃からずっとある

私は子供の頃のことをあまり覚えていないけれど
いくつかのことだけはしっかりと覚えている
この現実感が薄れていく感覚は
多分、幼稚園に通っていた頃にはもうあったような気がする
脱字
話が逸れてしまった
寝汗をかいたようだしお風呂にでも入るか
夢を見た

横たわっているおじちゃん(お母さんの旦那)をおじいちゃんが蹴っていた
とても狭い部屋の中だった
それを見た私は止めに入った
二人が喧嘩をしているのかと思った
おじちゃんに反撃されておじいちゃんが殴られたりしたら良くないから

でも冷静に見てみたら
おじちゃんは無抵抗な様子だった
両腕で自分のあたまを抱えて体を少し丸めていた
その姿を見た時、私の中になんとなく言いようの感覚が芽生えた
と同時に、おじいちゃんが私のほうを振り返った
おじいちゃんは何も言わずに私の首を締めた
片手だったのだけど、とても苦しくなった
おじいちゃんは私の頸動脈を的確に押さえていた
息が出来なくなっていって、死ぬかもしれないと思った
怖かった
おじいちゃんの手を振りほどこうとしたけれど力が足りなかった
おじいちゃんは左手の親指と、中指、薬指、小指で私の首を挟んでいた
苦しかったのは首の左側(親指のあるところ)だった
おじいちゃんの人差し指は私の顎の近くに添えられていた
私はなんとかしてその人差し指を噛もうとした
どうにかやっと噛めたのだけど、おじいちゃんは動じなかった
私はぎりぎりと噛む力を強くした
その時、もしかしたらおじいちゃんの指が切れてしまうのではないかという考えがあたまを過ぎった

このシーンの記憶はこれでおしまい
その後は場面が変わったのだけど
やっぱり私は命を狙われていた
その相手も多分おじいちゃんだったと思う
でももう記憶が曖昧で断言出来ない
おじいちゃんでなかったとしても、とにかく、近しい人だったと思う
どこかの病院の先生も出てきたような気がする
私はひたすら逃げ回っていた
かなり取り乱していたと思う
恐怖心がすごかった

これを書きながら、夢の中で逃げ回っていたシーンを思い出していた時に
この夢以外のことを思い出した
お母さんから逃げる時の感覚
もう発狂してしまいたくなるような嫌な感覚のまま、半泣きで逃げていた時のこと
その時の私の感情や感覚はひどいものだった
不安と悲しみと憤りと憎しみと無力感とやりきれなさがごちゃまぜになっていたと思う
思い返してみると、あれは私にとって相当な苦痛だったような気がする
泣いて逃げ回りながら
どうして、どうしてなの、なんでなの、ってあたまの中で繰り返していた
なんでなの、ってあたまの中でいくら叫んでも状況は良くならなかった
でも私はそうやっていつもあたまの中で叫んでいた
それを実際に口に出した時もあった
泣きじゃくる私と怒り狂ったような形相のお母さんが互いに金切り声をあげていたこともあった
いくら叫んでもいくら逃げても最終的には捕まってしまうんだ
子供が家の中を逃げ回ったってどうにもならないということが今なら分かるけれど
あの頃の私はどうにかして逃れようと必死だった
私が逃げれば逃げた分だけお母さんの怒りや不快感を募らせてしまうことは学習していた
けれどそれでも私はいつも逃げてしまった
私を捕まえた時のお母さんの怒りは相当に膨れ上がっていたと思う
お母さんは我を忘れたようにその怒りを私にぶちまけていた
その時の私は、結構冷静だったと思う
叩かれたり蹴られたりしている時はほとんど黙ったままだった
それまで泣いて逃げ回っていたのが嘘みたいに、じっとうずくまっていることが多かった
そして何かに対する疎外感のようなものを感じていた
疎外感と言うと少し違うかもしれない
今でも感じる、世界から切り離されるような感覚、とよく似ている
胃がむかむかする
起きぬけにレモンティーを飲んだのだけど
それのせいかな
もしかして傷んでた、?
もう夜まで起きていようかな
落ち着かない
眠気はあるけど眠れそうにない
音楽を聴くか
本の続きを読むか
それとも書くか
2月22日