落葉亭

過去ログ50 2015/1/1 14:38

▼chiharu
山茶花、平成27年、1月号

ロビーまで金木犀の香の届く

青きまま落ちし団栗拾ひけり

石投げる少年ひとり秋の海

運動会天気次第といふ予定

起きてすぐ海を見に行く野分あと

ごめんねと言ひ出せぬまま蜜柑むく

捥ぎたての蜜柑無人の販売所
2015/1/1

▼chiharu
山茶花、平成27年、1月号

ロビーまで金木犀の香の届く

青きまま落ちし団栗拾ひけり

石投げる少年ひとり秋の海

運動会天気次第といふ予定

起きてすぐ海を見に行く野分あと

ごめんねと言ひ出せぬまま蜜柑むく

もぎたての蜜柑無人の販売所
2015/1/1

▼chiharu
ホトトギス、平成27年、1月号

向日葵の前で大きく背伸びする

いつまでもメール交はして夜の長し
2015/1/1

▼chiharu
2014年、12月

終電の座席マフラー忘れられ

涙拭く蒲団に顔を埋めては

窓際に猫が三匹日向ぼこ

日向ぼこ窓辺は猫の指定席

冬薔薇の砂糖菓子めく色淡し

冬薔薇の一輪ほどの愛が欲し

冬薔薇に無垢の白さのありにけり

珈琲にラム酒の香る雪の夜

年忘れ子の結婚の話など

冬帽子被り絵描きとなる気分

北風に向かつて走る駅伝部

窯元の煙突の影月冴ゆる

十二月八日正午の鐘の音

驚いて尾の太き猫漱石忌

選挙カー師走の街を走り抜け

投票の日の東京に雪降り来

残業を終へて屋台のホットワイン

冬桜吹かるる風に揺るぎなし

閉店の雑貨屋の窓聖樹の灯

聖夜ミサ祈りはあの人のために

子を寝かせ一人に戻り毛糸編む

失せ物の見つからぬまま年の暮

捨てられし犬拾ひたる冬木道

いち早く暮るる工房冬至の日

デイケアのランチの冬至南瓜かな

クッキーを外して聖菓切り分ける

買はねども見てゐるだけの毛皮かな

旅人に駅ストーブのもてなしも

雪積もる三角屋根の駅舎かな

午後からは雨初雪となる旅路

大年の停泊船の汽笛かな
2015/1/1

▼chiharu
山茶花、平成26年12月

就職の内定決まる良夜かな

母も舞ふ敬老の日のフラダンス

爽やかに愛誓ふ日のチャペルかな

名も知らぬ小鳥来てゐるテラスかな

小鳥来るテラスの窓を開け放つ
2015/1/1

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