落葉亭
過去ログ52
2015/2/14 14:23
▼chiharu山茶花、2015年2月号
冬薔薇の砂糖菓子めく色淡し
ポケットに手を入れる癖小六月
湯豆腐の欠かせぬ宿の朝ご飯
露天湯に浸りて掬ふ落葉かな
面談を待つ教室の寒さかな
2015/2/14
▼chiharuホトトギス、2015年2月号
虫を聞く少しぬるめの露天風呂
栗拾ひ母の長靴借りにけり
台風の予報を見つつ晩御飯
2015/2/14
▼chiharu2015年、1月
透析の父を迎へにゆく寒さ
寒くとも耐へオーロラを見るまでは
ゆりかもめ並ぶ係留ロープかな
古日記吾子の成長記録とも
日記買ふ表紙の猫が好きだから
ラガー泣く拳で涙拭ひつつ
欠伸して鴨を見てゐる橋の上
仕方なく会社に泊まる雪の夜
あるがまま生くる幸せ去年今年
初泣の頭を撫でてやりにけり
初旅の下ろし立てなるスニーカー
成人の日の予備校の授業かな
寒風に気を引き締めてゐるところ
読初す心の余白広げつつ
悲しみを希望に変へて春を待つ
苦しみを勇気に変へて春を待つ
春を待つことも学びと心得し
葉牡丹の渦に光の雨雫
蒼天に透く蝋梅の檸檬色
2015/2/14
▼chiharu山茶花、平成27年、1月号
ロビーまで金木犀の香の届く
青きまま落ちし団栗拾ひけり
石投げる少年ひとり秋の海
運動会天気次第といふ予定
起きてすぐ海を見に行く野分あと
ごめんねと言ひ出せぬまま蜜柑むく
捥ぎたての蜜柑無人の販売所
2015/1/1
▼chiharuホトトギス、平成27年、1月号
向日葵の前で大きく背伸びする
いつまでもメール交はして夜の長し
2015/1/1