┼ 鎖唄 ┼

過去ログ543 2010/5/16 18:55

投稿者:翡翠
月光
君の部屋に置かれていた一輪の鉢植え


いつか君が言っていたね


この花は一夜だけ花を咲かすのって


満月たった一夜だけ花を咲かせて見せるのよって


幸せそうに笑っていた君


今夜君の部屋を訪れたら


きっと鮮やかで綺麗な花を咲かせてるね


君と引き換えに悲しげな色を纏って
[次のお題は?]
永久
5/16 18:55

投稿者:よしただ
27歳
見つけたいもの
この手の先の
赤い糸があるとして
その行きつく先は
誰につながってるんだろう

誰を俺の人生の中で幸せにできるのか

限られているのなら
手繰り寄せて
君だと言いたい

ダイヤルを回さずに声を聞けても
感動がないとかそんなこと思わない

声が聞ける
その幸せをわかっている人が何人いるだろう


僕の人生の中で幸せにできる人がいるなら
手繰り寄せて
君だと言うよ

隠された
赤い糸を
伸ばして
僕が幸せにしたいのは
間違いなく
君なんだと
言いたい


そんな日を探してる
その日を見つけたい
[次のお題は?]
今夜
5/15 4:52

投稿者:W
《隠す者、女》
変わんないとか
あんたゆうから
あたしはいつも
素顔でいられる
つくりわらいの
外のあたしはね
塗りたくってさ
隠してるんだよ
あんたが見てる
あんたを見てる
この小さい目が
あんたが触れる
あんたに触れる
色のわるい唇が
あたしのすべて
あたしのほんと
隠していようが
隠していまいが
変わんないって
あんたはゆって
本物のあたしを
見つけちまうね
優しく微笑んで
愛してくれるね
[次のお題は?]
隠す
5/14 15:52

投稿者:林檎
小さなポケット
小石を、持っていた
大切に、大切に
理由なんて忘れたけど

あの日の私がこっちを見ている

夢とか希望とか
いつからか
口にするのも恥ずかしくなったものと一緒に
小さなポケットにしまってた
あの頃の私が泣いている

今の私は成す術もなく
これ以上大切なものも見つけられない
そんなつまんない大人になった

子供でいたことも忘れて
理由を並べるのが大好きみたい

もう一度だけ
理由もなく何かに焦がれてみたいのに

小石は投げた

まだ私は
何処へだって行ける
[次のお題は?]
化粧
5/13 21:12

投稿者:ひより

その瞳はあなたを見ている
あなたが躓いた小石の形状に思いを馳せているときも
空に架かる橋を折れそうなその指で辿っているときも
葉に滴るちいさなちいさな雫の重さに揺らいでいるときも
広大な朝焼けで胸のうちを浸しているときも
その瞳はいつもどこかしらであなたを見ていて
あなたを思い
祈り続ける
あなたはそれをいつか疎ましく思う日が訪れるかもしれないが
それでも構わずその瞳はあなたを決して独りにはしない
その瞳はあなたを見ている
その瞳はあなたを見守り続ける
[次のお題は?]
小石
5/12 1:45

投稿者:マーガレット
序章の夜想曲
 
ぶらりと外へ出ると
暗闇の中で月に照らされ
風に靡く髪を抑えながら
夢を見るように佇む女がいた

「こんな寒い夜にどうしたのですか?」

私が問い掛けると
女は黒い瞳をこちらに向け
一瞥した後に空を見上げた

「呼んでいるのです、私を」

呼んでいるのです、と
女は繰り返しそう言った

「なにが呼んでいるのですか?」

続けて問うと
突然強い風が吹いた

私はその強さに驚きながら
耐えるように踏ん張るが
女は風など感じないように
黒い瞳で私を射抜いた

「月が」

女がそっと答えると
風は荒れ狂うほど強さを増し
私は驚きと共に目をつぶった

ふっ、と風が止み
恐る恐る目を開けると
女は跡形もなく
消えていた

月の光は強さを増した


[次のお題は?]

5/11 23:17

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