落葉亭


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Name chiharu
平成30年 山茶花10月号

髪洗ふ心の張りを取り戻し

向日葵の背丈羨ましく思ふ

白南風や海を見てゐる風見鶏

切口の角の鋭き水羊羹

民宿の窓に夜干しの水着かな

帰省子のよく寝よく食べよく笑ふ

文庫本ほどの軽さの日傘買ふ
 
Name chiharu
平成30年 10月号

こどもの日オムライスには旗立てて

約束の人待つテラス風涼し

薔薇抱いてカーテンコール鳴り止まず
 
Name chiharu
平成30年 9月

赤蜻蛉子を肩車して帰る

小鳥来るいつもの東屋のベンチ

立ち漕ぎて赤蜻蛉の空がある

落款の位置を確かめ秋灯下

ゑのころや記憶に棲みし猫のゐて

秋天やビルに緊急ヘリポート

古本に残る傍線秋灯下

天と地を繋ぐ道程曼珠沙華

敬老の日のオカリナのコンサート

鶏頭を活け子規のこと虚子のこと

鶏頭を活け論争の今昔

コスモスの揺れゐて風の悪戯に

虫の音に包まれてゐる無人駅

白萩や地蔵菩薩の傍らに

本堂に続く石段萩こぼる

月の夜の石塀小路歩きけり

雨降つて秋薔薇息を吹き返す

台風を案じるメール友より来

秋灯下辞書より探す文字ひとつ

木洩れ日を歩す鈴なりの葡萄園

雑草といふ草はなし草の花

歓声を乗せて豆汽車秋桜

流星や窓辺に運ぶ椅子ひとつ
 
Name chiharu
平成30年 花鳥諷詠9月号

安原 葉選
薔薇抱いてカーテンコール鳴り止まず
 
Name chiharu
平成30年 山茶花9月号

雨降つてこその紫陽花見に行かむ

父の日の父ジーンズを穿きこなし

明易し眠ることにも力要り

庭に咲くグラジオラスを供花に切る

エプロンのポケットあまた草刈女

草を刈るナイキのタオル首に巻き
 
Name chiharu
平成30年 ホトトギス9月号

遠足のパンダ見てゐて見られゐて

透きとほる声の讃美歌聖五月

すやすやと子猫も夢を見るやうな
 
Name chiharu
平成30年 8月

盆用意掛曼荼羅の巻緒解く

盆用意姑の言ひなりとはならず

黙といふ抗議八月十五日

雨上がる花火大会待つ街に

旅の夜の締めの線香花火かな

黒髪に戻して吾子の休暇果つ
 
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