1 リヴァイ

何故だ、エルヴィン

私生活が落ち着いて久方ぶりにここを覗いて……信じられないものを目にした。

なあエルヴィン、何故だ。

なぜ俺と女型を間違えた。

そいつはお前の女に似ていたのか。

俺が纏う女の姿を女型に重ねたのか。

俺はここにいる。

俺は女型じゃない。

エルヴィン……嘘だと言ってくれ。
2 エルヴィン
もしや、私の知っているリヴァイか?すまないが、鍵を頼みたい。

まさかとは思うが、余りにタイミングが良いのとその言葉には重なるものが多い。待っている。
3 リヴァイ
相互夢。お前は人妻。レオノーラ。

この三つで十分に当てはまるだろう。

鍵を示すまでもなく、お前のことを言った。

先に言っておくがお前が居なくなったことをなんとも思わないほど俺は冷血じゃねえ。短い間とはいえ多くの言葉を交わしたしお前の細かい話をあまりにも多く知りすぎた。

だがな、お前が俺と間違う程度には奴は俺に似ていた。
心情や、言葉の紡ぎ方もな。

激情のままに書き連ねたが俺は怒っていない。脱力しただけだ。

もう長くここに留まるつもりもなくなった……俺の人生に引導を渡すのがお前なのも悪くねえだろう。
4 エルヴィン
どうやら、私の知っているリヴァイだな。ありがとう。やり取りをする余裕が無くなって私から離れたからな、まさかと思って確認したが事実だ。

私の事を…誰かに話したのか?不可解な質問をしてしまい、すまない。だが、気になっていた事だ。話していないならそれで構わない、他の者からの話だからな。違う可能性も高い。

私生活が落ち着いたと聞いて安心した、ありがとう。
5 リヴァイ
誰かに話す、か。

残念ながらそんな知り合いはいない。

お前が息災にやってるならそれでいい、お前と交わせたかもしれない物語に思いを馳せながら茶を口にするのも風流だ。
……短かったがお前の紡ぐ言葉は嫌いじゃなかった、幸せにな。
6 エルヴィン
ああ、私もリヴァイの言葉は嫌いではない…むしろ、好きだった。出来る事なら、あの時に出来なかった話の続きをしたいと思う。

出来たら嬉しいともな。私の連絡先は変わっていないとだけ、伝えておく。
7 リヴァイ
考えておく。
新年度になったとはいえ、業務の忙しさがなくなったわけではないからな。
勘違いするな、これは拒絶ではねえ。
お前が行きたいと言った古都のことも、覚えている。

お前も体には気をつけろ、そんなガタイでも風邪ひくときはひくぞ。
8 エルヴィン
ああ、ありがとう。

そうか、そこまで覚えてくれていた事を感謝する。端末機を変えたら私はリヴァイの連絡先を無くしてしまった、だから…楽しみに待っていよう。私がここに書き込むのはこれが最後だ。

どうか、無理をしないよう…
9 リヴァイ
お前に飛ばした鳩はついに届かなかったようだな