1 エレン・イェーガー

独り言

ちょっとだけ置いた距離
これが貴方にとっては丁度良い遠さなんでしょうか
俺の為でもあるし仕方ないことなんでしょうけど

寂しいと口にするのも
甘えるのも怖い

恋人ってどんな遣り取りが普通…?
どうやって関係を築くのか分からなくなって来た

貴方にとって俺は替りの利く存在なんでしょうか
2 エレン・イェーガー
寂しい。
逢いたい。

直接言ったら貴方はどんな反応をする?

逢いたいです。
もう不要とか、そんな考えばかりが過る。
3 エレン・イェーガー
問いに対する答えも無い。
つまりは、そういう事なんですよね。

欲しい時だけ、甘えたい時だけ求められていたのかもしれないと思うととても悲しいです。
俺が少しも不安にならないと思って、信頼故なのかもと思いもしました。
けど多分違う。

数カ月もの時間を共にして、貴方と沢山言葉を交わした。
何となく…もう、初めての言葉を交わした頃の俺らには戻れないような気がします。
4 エレン・イェーガー
読み返す度に気持ちが沈みそうになる

貴方の出した答えに従います、兵長


早く時間が過ぎて軽くなればいい
5 エレン・イェーガー
想い出に潰されそうだ。

寒いって震える貴方を懐に抱いて毛布に包まったこと。
悪戯に尻を触るとぺしってその手を叩かれたこと。
大好きと言ったら、俺も…って、応えてくれたこと。

一旦離れても、其の侭俺が何処かに行ってもいい。
それだけの存在なんだろう。

兵長、兵長
書き掛けの手紙は如何したらいいですか。
6 エレン・イェーガー
今月用にと用意していた手紙を開いてみた。
書き掛けの侭、止まっちまったそれはもう便箋が埋まることも、誰かに送られることもない。

知ってました?あれは当日に作ってた訳じゃないんです。
その場で迷わずに書ける程文才ねえから、事前にある程度綴って当日にその日の気持ちを乗せて完成させてた。

今の気持ちを乗せたら酷く悲しい、味気ねえ手紙になるな。
貴方の為に出来ること。俺にはもう何も残ってやしない。

引き摺ることは貴方の為にならない。
どうか、また時期が来たらいい人に巡り合って下さい。
冗談言い合えて真剣な話しも出来るような、優しい人と。


…嗚呼、何言ってんだろ。もう何が自分の本心なのかが区別付かねぇよ。
7 エレン・イェーガー
幸せだった頃の手紙をつい、見返してしまった。

見たって如何しようもないのに…。俺ばっか好きだったんだろうな。抱きたいのも俺だけ。

足枷にしかなれないと知ってもう何も言葉が出なくなった。好きも愛してるも、俺の口からそれが出ればきっと重く圧し掛かるだけで。きっと本来の温かい響きですらない。


貴方の口から出た「離れたい」って意思。
寂しくて堪らない気持ちは奥底に沈めて、命令に従いますよ、兵長。

物分りは良い方なんです。言われた通りに、野良に戻ります。
いつか来る日が少し早まって、それが偶々唐突だった。それだけ。

タフだから大丈夫と言ったけど、あれは嘘だったかもしれません。
何かでこの虚無を埋めたくてどうしていいか分からない。

離されてみたら世界は広くて…何処に行ったらいいんだろうと悩む。
縛られる心地良さに浸り過ぎたみたいだ。
8 エレン・イェーガー
寂しいと、貴方に送ったところでどうしようもない。

どうしたらいいか教えて下さい。
いっそ離れるなら嫌ってくれればいいのに。

何をしても味気ないです。
9 エレン・イェーガー
いい加減前を向こうと思います。

いつまでも過去ばかり、思い出ばかり引っ張って来ても仕方ないですよね。
手紙を保管していた場所には蓋をして、今に慣れるよう努めます。

愛していました。誰よりも貴方を。
もっと長く、当然のように居れるものだと思い込んでいました。

気持ちに気付いてあげられなくてすみません。
今貴方が幸せなら、これで良かったんだと思えるくらいには気持ちに余裕が生まれました。

どうか充実した時を刻んで下さい。
恋心をもう一度思い出させてくれて、有難うございます。
10 エレン・イェーガー
今でもお前のことが好きだ


いつだったか貴方が、此処で溢した台詞です。
ねぇ、兵長。貴方はもう新しい恋をしていますか?

また偶然に出会えて同じ言葉が聞けるんじゃないかと、今でもたまに過ることがあるんです。
そんな筈ない…分かってはいるんですけどね。

貴方が幸せでありますように。