過去ログ44 2006/10/23 1:52

#時雨
毛糸の香
眠りながら
腕のなかに抱き寄せて

暖めあうの

けいとのかおりが

やさしくて

濡れる睫毛


また毎日がやってきて
朝も夜も訪れるのに

あなたがいない

大人にも
素直にもなれなかった

言葉にならないくらい
今でも愛してる


けいとのかおり


忘れないから
忘れないでね

日々生まれては消えた
たった二人の愛情みたいに
教えてくれなかった
昨日も
見透かしていた
明日が

今日だったから


大地を離れる瞬間に

目を閉じて
手を繋ぐ今だから
強く想うのは

私は君だった事だけ
2006/10/23 1:52

#天河
たったひとつの
恋はいつも
憎しみと紙一重
気になるほどに眠れず
悲しみに暮れ
表情に翳りを見せるのも
怒りに心を濁らせるのも
自分に因ってであって欲しい
慈しむほどに痛め付けてみたくなる
星の数ほどの愛情と
たったひとつ
何にも勝る
君の胸を奥まで刺し貫く刄を以て
2006/10/22 2:39

#時雨
記憶の断片
あなたの言葉に
ただ、涙があふれた

子供の頃は

ただあなたがいるだけで
大丈夫だったのに


安らぎの形を
何度も指でなぞっては

今も胸に宿る
あなたの声を確かめる


こんな私を
軽蔑するだろうか

成す術を知らずに

思い出しては
切なくて、苦しいの


あなたに会いたい


髪をなでて
抱きしめてほしい


安らぎの形を
何度だって指でなぞって
いつも胸に宿る
あなたの声を待っている

ありがとう
大切なあなたと
雪を知らない街に
雪の降る季節が
やって来るのね
2006/10/20 8:55

#時雨
帰りたい
もう解き放ってほしい

こんなにも辛いのは
誰のせいでも無くて

愛せないのも
憎くてたまらないのも

私のせいじゃない

忘れられないのが
辛いんじゃなくて
許せないから
思い出すのが辛いだけ

恋した日の事
離れられない今


坂道と草の匂いに
不似合いな
真っ赤なセーターと
真っ赤なブーツの音をならしては

息を上げた


星空を遠くに感じては

汗ばむ首筋を嫌った


足の痛みも胸の痛みも

忘れられないから


じゃあね。


もう愛さないで
2006/10/19 1:03

#時雨
さよなら
おちてくる前髪と
けがをした右膝と

背をあわせて
吐き出す煙が

白い壁を悲しい色に
変えてしまった


運命を探しあう恋人達が
うらやましかった


見上げたそらは
もう沈んでいて

泣き声と後悔
歌声とさよなら

あなたと私
淋しさと今日


大切な日々をこえて
あなたに響く

私の音
2006/10/17 10:43

#sk
傷つきたくないだなんて
そんなこと言ってない


あなたの姿形は
ここに在って無いような
そんな残り香さえも消えて


肩を湿らせていく
あなたからの雨は
乾こうとしていた地面を濡らす


あなたの声が


かき消されては
どこかへと揺らぐ悲しさが

心の奥の
もっと奥の
涙腺に似たようなとこへ降り注ぐ


傷つきたくないだなんて
そんなこと言ってない


ただ、悲しみばかりを


ただ、さよならばかりを


ごめんね、に乗せて言わないで
2006/10/15 22:05
HP

#中塚
彼女の腕が
曲がる曲がる
夜空を叩きながら

彼女の腕が
曲がる曲がる
月明り弾き返して


右往


左往


指先からほんの少しの
銀色が不安

猥談に薬
利害 包囲 厭う
理想に溺れて
落花ribaldry


劣等 大胆もう産まん
ベランダは躁鬱の巣窟

眠たい真相は運河
腰骨が揺らいでいる

飢えたら損

理屈など

飢えたら損

飲み込んでしまうかよ
右往


指先からほんの少しの
銀色が不安

猥談に薬
利害 包囲 厭う
理想に溺れて
落花ribaldry

右往

左往

右往

右往


劣等 大胆もう産まん
ベランダは躁鬱の巣窟

眠たい真相は朦朧
湯気がたつ
もうそんな季節

飢えたら損

飢えたら損


――――――
お久し振りです。
ありがとうね。
2006/10/14 2:22

#時雨
秋空
どこへも行きたくない

ここにも居たくない

耳から流れ込んでくる音楽と
流れ星のような世界

一瞬だけの

あなたの場所
わたしの空間

切り裂いた声も
咲き誇る花達も

聴いていて

どうか朽ちるまで

会いたいなら
逢いたくなるまで

消えたいから
無くなるまでを
2006/10/10 2:01

#aki*
寝顔
どうして
そんなに安心しきって眠れるの?
私があなたを刺し殺すかもしれないのに

そんなことしない、と言い切れるだろうか
私は
あなたは

隣にある健気な愛と
自分の愚かしさに
なんだか哀しくなって
声をあげずに泣いた
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steps
2006/9/26 23:15
HP

#てんが
僕から君へ
ひとつの季節が終わりの知らせを持って来ました。
足元から吹く風は驚くほどに冷たくなり、
指先から体温が空に溶けていきます。
君からもらった熱も少し逃げていきました。

くすんだ街並の差し色となっていた樹木が
佇まいはそのままに、静かに姿を変えました。

僕の体内に積み重ねられた
あらゆる真実も、色味を変えていきます。
嬉しさがほんの少し色褪せ
悲しさが薄味になりました。

君が拒んでも望んでも
星霜は動きを留めることなどしない。
君の幸せはいま、
何色になりましたか。
その身に受けた刺は
まるくなっていますか。

これからはだんだん
夜の冷気が深深と、堪える季節が訪れます。
君の行く道程に
あたたかな陽が射しますように
君の前途が
祝福に満ちたものになりますように

巡る季節と共に。


20060925
2006/9/25 22:35
HP