落葉亭

過去ログ10 2013/10/3 22:34

▼chiharu
ホトトギス、10月号より

あぢさゐの花に移ろひ心あり

遠き日の母の眼差し茄子の花

戻りたる猫の足拭く梅雨晴間
2013/10/3

▼chiharu
2013年、9月

長き夜やまだ書きかけのEメール

髪切れば心も軽く爽やかに

虫籠や図鑑ひろげし男の子

ふと見れば星のかたちに桔梗咲く

秋の虹口開けて見るタワーかな

秋雷や午前六時の旅枕

出勤や夜学教師といふ仕事

小鳥来て土曜の午後のティールーム

落款の位置ずれてゐる秋灯下

栗を剥くオリンピックの記事の上

芒野に風の輪唱ありにけり

愛の羽根つけてあなたに逢ひにゆく

台風の進路次第といふ旅路

台風の去りて広がる空の青

コスモスの揺れて住宅展示場

微笑の国より届く唐辛子

美しき古語思ひをる良夜かな

天と地を繋ぐこの道曼珠沙華

象牙色なる十六夜の月明り

名も知らぬ小鳥来てゐるテラスかな

父眠る墓所の一隅彼岸花

小鳥来て猫が獲物をとる姿勢

黙もまた抗議のひとつ露けしや

赤い羽根目印にする待ち合はせ

流星の消えたるあとの闇深し

芋虫のソテーにスリル異国の地

新涼の会ひたき友に会へし旅

萩零る風の悪戯かも知れず

故郷はちちははの国いわし雲

コスモスの嫌ひで終る花占ひ

踏み入れば我より高き芒かな

しろがねの風を集めて芒原

水色の空はキャンバス秋桜

露けしや明日閉店の鮮魚店
2013/10/3

▼chiharu
山茶花、10月号より

麦酒飲む酔はねば言へぬ話あり

進みつつヨットは風を楽しめる

凹みたるまま置かれゐし夏帽子

人の恋打ちあけられてソーダ水

昼寝覚しばらく記憶遠くなる
2013/10/3

▼chiharu
ホトトギス、10月号より

あぢさゐの花に移ろひ心あり

遠き日の母の眼差し茄子の花

戻りたる猫の足拭く梅雨晴間
2013/10/3

▼chiharu
2013年、9月

長き夜やまだ書きかけのEメール

髪切れば心も軽く爽やかに

虫籠や図鑑ひろげし男の子

ふと見れば星のかたちに桔梗咲く

秋の虹口開けて見るタワーかな

秋雷や午前六時の旅枕

出勤や夜学教師といふ仕事

小鳥来て土曜の午後のティールーム

落款の位置ずれてゐる秋灯下

栗を剥くオリンピックの記事の上

芒野に風の輪唱ありにけり

愛の羽根つけてあなたに逢ひにゆく

台風の進路次第といふ旅路

台風の去りて広がる空の青

コスモスの揺れて住宅展示場

微笑の国より届く唐辛子

美しき古語思ひをる良夜かな

天と地を繋ぐこの道曼珠沙華

象牙色なる十六夜の月明り

名も知らぬ小鳥来てゐるテラスかな

父眠る墓所の一隅彼岸花

小鳥来て猫が獲物をとる姿勢

黙もまた抗議のひとつ露けしや

赤い羽根目印にする待ち合はせ

流星の消えたるあとの闇深し

芋虫のソテーにスリル異国の地

新涼の会ひたき友に会へし旅

萩零る風の悪戯かも知れず

故郷はちちははの国いわし雲

コスモスの嫌ひで終る花占ひ

踏み入れば我より高き芒かな

しろがねの風を集めて芒原

まさをなる空はキャンバス秋ざくら

露けしや明日閉店の鮮魚店
2013/10/3

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