落葉亭
過去ログ100
2017/10/22 16:33
▼chiharu平成29年 ホトトギス10月号
館涼し鮫追ひかけてゐる視線
梅雨籠本の世界に没頭す
ユニフォーム乾かしてゐる梅雨晴間
2017/10/22
▼chiharu平成29年 9月
見返りを求めぬ心爽やかに
爽やかな朝まつさらなシャツを着て
秋高し牧場に続く白き柵
羽衣や海を背にして薪能
台風に会の日程組み直す
テレビ点けまづ台風のニュース見る
釣れたてのまだ透き通る烏賊捌く
火柱のごと大陸の秋夕焼
爽やかに癌を克服して十年
靴を脱ぎ秋の浜辺を歩きけり
山葡萄種を運んで来る鳥も
進物の皮ごと食べるマスカット
ドライブや鹿の横切る戸田峠
舟渡る秋の潮目の相模灘
栗を剥く義理の親子といふ縁
小鳥来る森の樹木の息遣ひ
履歴書を書き損じては夜の長し
貝殻を拾ひし浜辺秋夕日
2017/10/22
▼chiharu平成29年 山茶花9月号
涼風の海を見てゐるだけでよし
雷鳴を聴くこの旅の記憶とし
しばらくはあぢさゐの咲く通学路
梅雨といふ当てにはならぬ予報かな
2017/10/22
▼chiharu平成29年 ホトトギス9月号
母の日のカタログといふ贈り物
先づ夫のものに始まる更衣
武具飾る息子二人を育てあげ
2017/10/22
▼chiharu平成29年 8月
帰路急ぐ花火の人出横切つて
行く夏の波が足跡消してゆく
西瓜喰ぶ塩かける人かけぬ人
子は父の背にしがみつき花火音
水を得し魚のやうに泳ぎけり
出目金を見てゐるだけで癒さるる
目高飼うことも癒しとなりにけり
星流る永遠といふ一瞬を
2017/10/22