落葉亭

過去ログ48 2015/1/1 13:39

▼chiharu
2014年、11月

片付かぬ部屋そのままに日短

露天湯につかりて掬ふ落葉かな

落葉踏む少女の赤いスニーカー

木洩れ日の射し込んでゐる葡萄棚

体調の崩るる予感玉子酒

面談を待つ教室の寒さかな

自販機のポタージュスープ今朝の冬

セロリ挿す血潮のやうなカクテルに

湯豆腐の欠かせぬ宿の朝ご飯

木枯や墓標のやうなビルの街

冬紅葉寺に丸窓角の窓

蜜柑剥剥く手の止まりたる言葉かな

素泊まりの宿の名入れの時雨傘

ブロッコリー差し色にしてシチュー煮る

しぐるるや窓に映りし我の顔

夫の靴磨く勤労感謝の日

冬の夜の星の名前の汽車に乗り

待ちくるる文届きたる小春の日

しぐるるや傘を閉ぢたり開いたり

オリーブを木のお人形旅小春

振り払ふフロントガラスの落葉かな

年忘れ子の結婚の話など

冬帽子被り絵描きとなる気分

揚げたての饅頭買ふも旅小春

冬銀河億光年といふ静寂

セーターの赤は元気になれる色

腹の子の名を考えてゐる炬燵
2015/1/1

▼chiharu
第18回毎日俳句大賞2014、予選通過

帰省する車窓に富士の見えて来し

下駄箱の上の電話と水中花
2014/12/15

▼chiharu
第13回鎌倉全国俳句大賞
小澤実選、佳作

桜蕊降る鎌倉の切通し
2014/12/11

▼chiharu
山茶花、平成26年11月号

終戦の日や読み返す罪と罰

師の快癒願ふ七夕飾りかな

単線の次の電車を待つ残暑

縁側に足なげ出して西瓜喰ぶ
2014/12/11

▼chiharu
ホトトギス、平成26年11月号

冷房に上着一枚手放せず

夏休吾子と大蛇を首に巻き
2014/12/11

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