落葉亭

過去ログ68 2016/2/14 18:53

▼chiharu
平成27年11月

例へばで始まる話蜜柑剥く

蜜柑もぐ眼下に青き伊豆の海

だんだんと土に還つてゆく落葉

落葉掃く法要の日の父の墓

眼前の紅葉水面の冬もみぢ

街路樹に電飾灯り冬来る

青汁に欠かすことなきセロリかな

冬ぬくし双子のパンダ生まれたよ

信号を待つ交差点銀杏散る

木の葉髪学びに齢なかりけり

その先は冬季閉鎖となる道路

海側の部屋に一泊冬花火
2016/2/14

▼chiharu
山茶花、平成27年11月号

食べられる花の入つてゐるゼリー

願ふには足りなき時間流れ星

ベランダの風鈴をもう仕舞はねば

水遊び洗車の邪魔になりもする
2016/2/14

▼chiharu
ホトトギス、平成27年11月号

冷蔵庫たしかにプリン入れたはず

授乳せし吾子の額の汗拭ふ

わが夫に一口貰ふ氷菓かな
2016/2/14

▼chiharu
平成27年、10月

秋の雨カーブに点となる電車

後戻りできぬ吊橋紅葉谷

金木犀香る東大前の駅

金木犀香る駅へと急ぐ道

体育の日にもゲームをしてゐる子

人恋しくて秋の夜のブラームス

自転車の籠はみ出してゐるセロリ

青汁に欠かすことなきセロリかな

秋の日の最後に乗つた観覧車

ハロウィンの魔女の帽子のレジの人

ハロウィーンかぼちゃのキッシュ焼き上がる

秋晴や気合いを入れて洗車する

朝寒やいつもの位置で待つ電車

蜜柑むく愛車のリコールの知らせ

お湯ひとつ沸かせぬ父が林檎剥く

艶めくや林檎を囓る仕種さへ
2016/2/14

▼chiharu
山茶花、平成28年1月

体育の日にもゲームをしてゐる子

夕暮の埠頭を渡る秋の風

金木犀香る駅へと急ぐ道

江ノ電のカーブ軋みて秋の暮

ハロウィンの魔女の帽子のレジの人
2016/1/18

6967

掲示板に戻る