落葉亭
過去ログ69
2016/2/14 19:02
▼chiharu山茶花、平成28年1月
体育の日にもゲームをしてゐる子
夕暮の埠頭を渡る秋の風
金木犀香る駅へと急ぐ道
江ノ電のカーブ軋みて秋の暮
ハロウィンの魔女の帽子のレジの人
2016/2/14
▼chiharuホトトギス、平成28年1月
八月ももう終はりかと夫の言ふ
少しづつ雨が運んで来たる秋
寄せ返す波が教へてくれる秋
2016/2/14
▼chiharu平成27年、12月
乗り損ねたるバスを待つ寒さかな
診察のドアにもクリスマスリース
着膨れて覗く天体望遠鏡
予定表見直してゐる十二月
生きてきた証のやうな古日記
触れ合へる梟のゐる喫茶店
梟の小物集めを趣味として
駅で逢ひ駅で別れて日短
十二月八日真珠の指輪買ふ
初雪やサンタクロースより手紙
残業のビルの明かりも聖夜の灯
玩具箱みたいなクリスマスの街
高層のビルの谷間の聖樹かな
聖夜来る銀の指輪とオルゴール
合いの手の阿吽の呼吸餅を搗く
全身を粉にまみれて餅をのす
ランナーも旗降る人も息白し
息白く星空の中出勤す
古民家の青き土壁水仙花
水仙花白き灯台立つ岬
冬薔薇抱く盲目のピアニスト
2016/2/14
▼chiharu山茶花、平成27年12月号
ゑのこ草ここは昔の通学路
小鳥来るロッジの窓は森へ向き
コスモスを揺らしトロッコ列車かな
2016/2/14
▼chiharuホトトギス、平成27年12月号
スパイスを効かせしカレー暑気払ふ
掲げたる校旗の重み炎天下
帰省する車窓に富士の見えて来し
2016/2/14