落葉亭
過去ログ73
2016/3/24 18:44
▼chiharu山茶花、平成27年12月号
ゑのこ草ここは昔の通学路
小鳥来るロッジの窓は森へ向き
コスモスを揺らしトロッコ列車かな
2016/3/24
▼chiharuホトトギス、平成27年12月号
スパイスを効かせしカレー暑気払ふ
掲げたる校旗の重み炎天下
帰省する車窓に富士の見えて来し
2016/3/24
▼chiharu平成27年、12月
乗り損ねたるバスを待つ寒さかな
スルメ焼くストーブのある列車かな
診察のドアにもクリスマスリース
着膨れて覗く天体望遠鏡
予定表見直してゐる十二月
生きてきた証のやうな古日記
触れ合へる梟のゐる喫茶店
梟の小物集めを趣味として
駅で逢ひ駅で別れて日短
十二月八日真珠の指輪買ふ
初雪やサンタクロースより手紙
残業のビルの明かりも聖夜の灯
玩具箱みたいなクリスマスの街
高層のビルの谷間の聖樹かな
聖夜来る銀の指輪とオルゴール
合いの手の阿吽の呼吸餅を搗く
全身を粉にまみれて餅をのす
ランナーも旗降る人も息白し
息白く星空の中出勤す
古民家の青き土壁水仙花
水仙花白き灯台立つ岬
冬薔薇抱く盲目のピアニスト
花びらのやうに蜜柑をむく女
2016/3/24
▼chiharu山茶花、平成28年2月号
街角のイルミネーション冬来る
冬ぬくし仔犬三匹生まれたる
蜜柑むくマイナンバーの話など
信号を待つ交差点銀杏散る
落葉掃き法要の日の父の墓
2016/2/20
▼chiharuホトトギス、平成28年2月号
すれ違ふ人も旅人秋の風
闘病の父に林檎を剥いてやる
後戻りできぬ吊橋紅葉谷
2016/2/20