落葉亭

過去ログ74 2016/3/24 19:13

▼chiharu
ホトトギス、平成28年2月号

すれ違ふ人も旅人秋の風

闘病の父に林檎を剥いてやる

後戻りできぬ吊橋紅葉谷
2016/3/24

▼chiharu
平成28年、1月

ありのまま生くる幸せ去年今年

今年こそ煙草止めやうかと思ふ

大年のキスをしてゐる観覧車

乗初や渋滞となること承知

初みくじ神の言葉を持ち帰り

海沿いの観覧車より初景色

もも色の長き麩菓子を買初す

車窓より雪だんだんと深くなる

雪来るかスノータイヤに履き替へて

雪が降るLINEのトーク画面にも

まだ生きるつもり七草粥を喰ぶ

寺訪へば春七草の籠置かれ

新しき靴の固さや初稽古

先ず肩の力を抜いて初稽古

雪原の視界遮るものはなし

先ず転ぶことを覚えてスキーの子

転んでも転んでも立つスキーの子

雪つぶて兄が投げれば弟も

氷柱いま水に還つてゆくところ

残業の無き日の家路日脚伸ぶ

悩んでも疲るるばかり春を待つ
2016/3/24

▼chiharu
山茶花、平成28年1月

体育の日にもゲームをしてゐる子

夕暮の埠頭を渡る秋の風

金木犀香る駅へと急ぐ道

江ノ電のカーブ軋みて秋の暮

ハロウィンの魔女の帽子のレジの人
2016/3/24

▼chiharu
ホトトギス、平成28年1月

八月ももう終はりかと夫の言ふ

少しづつ雨が運んで来たる秋

寄せ返す波が教へてくれる秋
2016/3/24

▼chiharu
花鳥諷詠、平成27年12月号

被災地に祈りのやうな秋の虹(稲畑汀子選)
2016/3/24

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