落葉亭

過去ログ80 2016/5/8 16:13

▼chiharu
平成28年、4月

旅情報サイト閲覧して日永

長き日や秒針のなき腕時計

シクラメン迷ふことなく白を買ふ

夕桜ひとつ手前の駅で降り

ふらここの背中押してくれし母

春の夜の薄紅色となるタワー

いち早く咲いて窓辺のチューリップ

囀りの森のピッコロ奏者かな

風格の身延のしだれ桜かな

夜桜や途中下車して帰る道
2016/5/8

▼chiharu
山茶花、平成28年4月

雪原の視界遮るものもなし

全身を粉にまみれて餅をのす

合の手の阿吽の呼吸餅をつく

まづ転ぶことを覚えてスキーの子
2016/5/8

▼chiharu
ホトトギス、平成28年4月号

着ぶくれて覗く天体望遠鏡

生きてきた証のやうな古日記

古日記吾子の成長記録とも

木の葉髪学びに齢なかりけり
2016/5/8

▼chiharu
平成28年、3月

あたたかや本を抱へて公園へ

窓に貼りたる「草餅始めました」

移築せし古民家カフェの雛かな

朝寝して吾子の目覚ましで起きる

桜餅葉を食べる人食べぬ人

青ぬたや買ひ漏らしたる味噌買ひに

単線に待ち時間あり春の雨

好きなだけクレソンを摘む春の川

卒業の子の寄せ書きの一行詩

歩きつつ摘みし蕨の一握り

桜貝拾ひ納めしオルゴール

踏青や犬の飛びつくフリスビー

春めいてお洒落の意欲高まりぬ

古ぼけた卓球台に春日差す
2016/5/8

▼chiharu
山茶花、平成28年3月号

午後からは雨初雪となる旅路

予定表見直してゐる十二月

冬薔薇に無垢の白さのありにけり

雪来るかスノータイヤに履き替へて

着ぶくれて覗く天体望遠鏡

残業のビルの明かりも聖夜の灯
2016/5/8

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